2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700321
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森吉 弘毅 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (50263091)
|
Keywords | シナプス / 膜蛋白 / 蛋白相互作用 / two-hybrid法 |
Research Abstract |
我々は、中枢神経系のシナプスにおける種々の蛋白のダイナミクスと、それによって引き起こされるシナプスの構造的、機能的な変化のメカニズムに興味を持って研究を進めている。そのための手段として、酵母を用いたtwo-hybrid法やそれを元に改良されたthree-hybrid法、膜特異的two-hybrid法などを用いて新たな蛋白相互作用を見出すことから研究を進めようとしている。 これまでの研究結果で、幾つかの蛋白相互作用が見出されたので、その解析を行った。 まず、グルタミン酸受容体と相互作用する分子として、siah(seven in absentia homolog)を見出した。siahはユビキチンリガーゼであり、受容体蛋白の分解過程に関わっていると考えられた。実際、培養細胞中でI型代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1aまたはmGluR5)と共発現すると、mGluR1a,5の蛋白量が著明に減少することがわかった。この蛋白量の減少はmGluR蛋白の選択的な分解促進によって引き起こされていることが示された。この活性はII型、III型の代謝型グルタミン酸受容体、あるいはNMDA型のグルタミン酸受容体に対しては観察されず、I型代謝型グルタミン酸受容体に特異的な反応であることがわかった。mGluR1a,5のC末細胞内領域には、SID(siah-interacting domain)と呼ばれる配列があり、この部分がsiahによる分解に必須であることがわかった。また、mGluR1のスプライスバリアントであるがSIDを持たないmGluR1bがsiahによって分解されないことからも、SIDの必要性が確認された。一方、siahはRING-finger domainと呼ばれる構造を持ち、この部分がユビキチン結合反応に必要であることも確認された。
|
Research Products
(3 results)