2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病関連蛋白質の細胞内輸送におけるSyntaxinファミリーの役割
Project/Area Number |
16700327
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
須賀 圭 杏林大学, 医学部, 助手 (30306675)
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Keywords | syntaxin / presenilin / Alzheimer's disease / amyloid β peptide / vesicle transport |
Research Abstract |
申請者はいわゆるSNARE仮説におけるtargetSNARE(t-SNARE)として細胞内小胞輸送や形質膜輸送を制御するSyntaxin(Syx)ファミリー分子の構造と機能およびそれらの生理的役割について研究して来た。平成16年度においては、そのファミリーの中でもt-SNAREとして主にER-Golgiにかけて局在し、ER-Golgi間の小胞輸送を担っていると考えられている分子であるSyx5に重点を起き、アルツハイマー病関連蛋白質の細胞内輸送における役割を調べた。結果、家族性アルツハイマー病(FAD)の原因遺伝子の一つであるPresenilin(PS)とin vivoで結合していることを見いだした。免疫組織化学的、生化学的に検討したところPS1,PS2はいずれもSyx5とER-Golgi間において結合するが、アミロイドβペプチド(Aβ40,Aβ42)量の亢進するFADに連関したPS変異体であるPS1Δexon9においてはSyx5との結合量が減少しており、Syx5の過剰発現はAβ40の分泌抑制、細胞内におけるアミロイド前駆体蛋白(βAPP)の蓄積を引き起こすことを明らかにした(Suga et al., Biochem.J., 2004)。今年度は、神経細胞株を用いて、他の細胞内コンパートメントに存在するSyxファミリー分子の関与、Syx5のPSとの結合の特異性、結合部位の同定、種々の点変異型のPS変異体との結合、Aβ40,Aβ42の分泌、細胞内βAPPの蓄積への効果などを検証した(Suga et al., J.Neurochem., 2005)。さらに、過剰発現とRNAiの手法を用いたKnock-downによりSyx5の発現量を変化させる実験により、Syx5が正常なGolgi装置の形態の維持並びに膜蛋白質輸送に必要である可能性も示した(Suga et al., FEBS lett., 2005)。
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Research Products
(4 results)