2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子受容体/イムノグロブリン融合蛋白を用いた霊長類における認知記憶の研究
Project/Area Number |
16700335
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
徳山 宣 北里大学, 医学部, 助手 (70323615)
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Keywords | Long-term memory / Primates / BDNF / IEG |
Research Abstract |
本研究ではニホンザルを用い、霊長類における長期記憶形成の分子機構の解明を目指している。ニホンザルに長期記憶課題としてヒトにも用いられている対連合課題を行わせ、長期記憶の形成に伴い発現誘導される遺伝子を定量的RT-PCR法およびin situ hybridization法を用いて調べてきた。これまでにサルの下部側頭葉皮質において視覚性対連合記憶の形成時に脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子および前初期遺伝子の一つであるzif268遺伝子の発現が特異的に誘導されることを見いだした。 さらに遺伝子の発現解析実験により同定された分子の長期記憶の形成、維持における機能を調べるために、神経栄養因子受容体/イムノグロブリン融合蛋白を用いた機能抑制実験を計画している。この実験に用いるために大脳半球交連線維を外科的に切断した脳梁離断サルを作製し、この動物に視覚性対連合記憶課題を学習できるように訓練を行っている。また、神経栄養因子の機能を阻害するための神経栄養因子受容体/イムノグロブリン融合蛋白を設計するため、ニホンザルの神経栄養因子受容体遺伝子及びイムノグロブリン遺伝子を単離し、塩基配列を解析している。また、神経栄養因子受容体/イムノグロブリン融合蛋白の脳実質内注入による発現抑制効果の評価を行うためにラットを用いたin vivo実験系の開発を行っている。これまでにラット嗅索切断により嗅球の僧帽細胞や顆粒細胞にプログラム細胞死(apoptosis)が誘導されることを見いだしている。
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