2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700338
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
谷口 睦男 高知大学, 医学部, 助手 (10304677)
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Keywords | 副嗅球 / ニスタチン / 代謝型グルタミン酸受容体 / 相反性シナプス / パッチクランプ / 電気生理学 |
Research Abstract |
副嗅球僧帽細胞-顆粒細胞間相反性シナプスの性質 1.僧帽細胞から顆粒細胞への興奮性シナプス伝達 僧帽細胞の自発性脱分極により、顆粒細胞にはグルタミン酸を介する興奮性シナプス電流(EPSC)が生じる。本年度は、相反性シナプス伝達のうち、この興奮性シナプス伝達を調べる為、マウス副嗅球スライス標本を作製し、ホールセル法を用いて各種薬物のEPSCに対する効果を顆粒細胞より記録した。 細胞外液としてピクロトキシンおよびテトロドトキシンを含みMg^<2+>を含まないRinger溶液を用いたときに、顆粒細胞から記録されるmEPSCの大きさは、15.1±2.2pAであった。これに対して、DCG-IV(mGluR2作動薬)存在下でのmEPSCは11.1±1.3pA(DCG-IV投与前の74±9%:n=10)であった。 一方、mEPSCの発生頻度は、DCG-IVの投与により0.78±0.11Hzから0.51±0.11Hz(DCG-IV投与前に記録した頻度の66±14%;n=10)に減少した。以上の結果かち、mGluR2が僧帽細胞膜からのグルタミン酸放出の抑制、および顆粒細胞でのグルタミン酸応答の発現抑制の双方に関与していることが示唆された。 先に研究代表者は、DCG-IVの細胞外投与により相反性シナプス電流が顕著に抑制されることを見出したが、その作用部位については不明な点が多かった。本年度の研究結果により、mGluR2の副嗅球相反性シナプス伝達における作用部位の一部を明らかにした。 2.電流刺激に対する顆粒細胞の脱分極応答 副嗅球の顆粒細胞に様々な条件下で活動電位を発生させ、主嗅球で報告されているような活動電位発生後に生じる持続性脱分極応答の測定を試みたが、観測できなかった。このことは、相反性シナプス伝達の機構が主嗅球と副嗅球で異なることを示唆した。
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