2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス・コンソミック系統群を用いた糖・脂質代謝異常の原因遺伝子の解析
Project/Area Number |
16700348
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 民生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90293620)
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Keywords | マウス / コンソミック系統群 / 糖・脂質代謝 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、マウスA/J系統の任意の染色体をSM/J系統の染色体に置換したコンソミック系統群を用いることにより、正常なマウス系統に潜在的に存在する糖・脂質代謝異常の原因遺伝子を解析することを目的としている。本年度は、これまでに樹立された11系統(Chr.2,6,7,11,12,13,15,17,18,19,Y)のコンソミック系統群のうち、6系統(Chr.6,12,15,18,19,Y)について、体重・肥満度・血中脂質濃度(中性脂肪・総コレステロール)を測定し、両親系統(A/J, SM/J)と比較した。 体重と肥満度:染色体供与系統であるSM/Jは染色体受容系統であるA/Jに比べて、両項目とも顕著な低値を示した。調査した6系統のうち4系統(Chr.12,18,19,Y)は染色体受容系統であるA/Jと比較して有意差は認められなかったが、2系統(Chr.6,15)はA/Jより有(P<0.05)に低値を示した。したがって、SM/JのChr.6,15には体重と肥満度を低下させる遺伝子が存在することが判明した。 血中脂質濃度:総コレステロールはA/Jに対してSM/Jは有意に低値を示した。調査したコンソミック系統群のうち1系統(Chr. Y)のみA/Jに対して有意に低値を示したが、他の5系統はすべてA/Jと同じレベルであった。したがってSM/JのChr. Yに血中総コレステロール値を低下させる遺伝子が存在することが判明した。中性脂肪はA/JとSM/J間に有意差は認められなかった。しかし、2系統(Chr.12,19)はA/Jに対して有意に高値を示した。したがって、SM/JのChr.12,19には、A/Jの他の染色体上に存在する遺伝子と相互作用して、血中中性脂肪値を上昇させる遺伝子が存在することが判明した。
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