2004 Fiscal Year Annual Research Report
クローン技術を応用した遺伝子組み換えラット作出に関する研究
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16700350
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
外丸 祐介 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術研究室, 研究員 (90309352)
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Keywords | ラット / 核移植 / クローン / 自発的活性化 / ノコダゾール / 活性化刺激 |
Research Abstract |
本年度は、「核移植によるラット培養細胞からのクローン個体の安定的作出法」を確立するため、核移植における基本条件について検討した。ラットクローン技術の問題点であるレシピエント卵子の自発的活性化を制御するため、細胞周期同調試薬であるノコタゾールの添加ならびにカルシウム不含培地を用いて以下の試験を実施した。 1.排卵卵子をPB I液で0、30、60、120、240及び480分間体外培養し、経時的な核相変化の観察により自発的活性化について調べた。その結果、自発的活性化卵子の割合は0から480分への時間経過に伴い、0、18.7、65.6、75.0、84.4および84.4%と漸次高まることが確認された。 2.0.5、0.1、0.01μg/mlノコタゾール添加ならびにCa^<2+>を除去した培地(Ca^<2+>(-)区)で2時間培養して自発的活性化の抑制条件を検討した。その結果、活性化の抑制を示すM II期卵子の割合は、それぞれ100、80.0、50.0及び100%であった。 3.0.5、0.1μg/mlノコタゾール添加区ならびにCa^<2+>(-)区について、それぞれ電気刺激(DC100V/mm、99μsec、2回)を(1)直ちに、(2)PBI液で30分培養後、(3)2mM 6-DMAPで30分培養後の3通りの手法で与えることで活性化刺激し、発生に適した条件を検討した。その結果、0.1μg/mlノコタゾール添加区で、2mM 6-DMAPで30分培養した場合に52.0%が胚盤胞に発生し、最も高率であった。その他の区では0〜20.0%で、特にCa^<2+>(-)区では全てが2細胞期で発生を停止した。 現在、これらの試験から得た自発的活性化抑制の条件を核移植の手法に導入し、電気融合法による核移植卵の作製試験を実施している。
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