2004 Fiscal Year Annual Research Report
反復運動過多損傷予防のための近赤外光を用いた作業管理システムの開発
Project/Area Number |
16700357
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
庭山 雅嗣 国立大学法人静岡大学, 工学部, 助手 (40334958)
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Keywords | 近赤外分光法 / 組織酸素濃度 / 筋 / 腱 / 反復運動過多損傷 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
NIRS筋組織酸素計測で得られる酸素動態の情報を反復運動過多損傷の作業管理法に応用するための基礎的な検討として,下記の検討を行った. (1)理論解析:MRI画像データ等をもとにモデルを作成し,モンテカルロ法によるコンピュータシミュレーションを行った.生体内の光伝播解析を多様なモデルに対して行い,筋・腱組織内の光路長や空間的光強度分布データを取得した.その結果,小さな筋・腱組織であっても適切な送受光器間距離や光増幅を行うことで十分な感度で計測できることが示された. (2)装置の試作と実験:組織酸素濃度計測装置の多チャネル化等の改良を行い,2つの部位を空間分解法で計測できる小型の装置を実現した.また,疾患のある部位への適応を考慮して,非接触式の酸素濃度計測法を新たに検討した.非接触にすることで筋・腱組織の測定感度がどのように変化するかを理論と実測で検証し,適切と考えられる送受光器間距離などの設計条件を見出し装置に反映させた. (3)定量化アルゴリズムの検討:非接触式で取得した測定データから,理論解析データをもとに定量化を行う手法を検討した.その定量化手法を用いて4名の被験者に対して動静脈閉塞試験(前腕部)を行い,酸素消費量を求めた結果,0.12ml/100g/minとなり,接触式NIRSでの報告値や磁気共鳴法の報告値とほぼ同等であることが示され,定量化の妥当性が確認された. これらの結果は,疾患部位の光計測を行う上で重要な基礎的知見になると考えられる.
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