2004 Fiscal Year Annual Research Report
深部がん低侵襲局所放射線治療に適した中空セラミック微小球の作製
Project/Area Number |
16700358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川下 将一 京都大学, 工学研究科, 講師 (70314234)
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Keywords | 酸化イットリウム / 中空微小球 / 酵素 / ウレアーゼ / 尿素 / カルボキシメチルセルロース / 深部がん / 放射線治療 |
Research Abstract |
研究目的 イットリウムを多量に含む、直径20〜30μmの微小球は、カテーテルにより血管を介して腫瘍部に送り込まれ、栄養血管を詰めてがんへの栄養補給を断つと同時に、そこからがん細胞のみを直接放射線照射して治療する材料として有用である。これ迄に、高周波誘導熱プラズマ溶融法により作製したY_2O_3微小球が提案されたが、同微小球の比重はきわめて大きいので、腫瘍部注入時に均一な懸濁液が得られ難く、しかも注入された微小球が患者の背側に局在分布する恐れがある。本研究は、ウレアーゼを含むカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC-Na)水溶液を、尿素を含む硝酸イットリウム(Y(NO_3)_3)水溶液中に滴下し、得られた試料を種々の条件で加熱処理することにより、イットリウムを多量に含み、しかも化学的耐久性に優れた、直径20〜30μmの中空のY_2O_3微小球を得る条件を追究することを目的とする。 研究成果 ウレアーゼを含むCMC-Na水溶液を、ピペットを用いて尿素を含むY(NO_3)_3水溶液に滴下した。これを36℃の恒温槽で4日間保持することによりゲル状試料を得た。試料を蒸留水及びエタノールで3回洗浄し、凍結乾燥した後、sic電気炉中、600〜1400℃の種々の温度で2時間保持し、その後炉内で放冷した。得られた試料の形状を電界放出型走査電子顕微鏡により観察し、同試料の構造を粉末X線回折により調べた。その結果、Y(NO_3)_3水溶液にCMC-Na水溶液を滴下すると、Y^<3+>の架橋効果により球状のゲルが生成し、更にこれを36℃の恒温槽で4日間保持すると、ゲル表面に非晶質のY(OH)_3が析出した。得られた小球を600〜1400℃の種々の温度で2時間熱処理するとY(OH)_3が立方晶Y_2O_3に変化した。熱処理前の試料及び1300℃以下の温度で熱処理した試料の表面は緻密で、内部は多孔構造であった。1400℃で熱処理した試料の表面には亀裂が発生し、内部の中空構造も崩れていた。以上より、ウレアーゼを含むCMC-Na水溶液を、尿素を含むY(NO_3)_3水溶液に滴下し、これを1300℃で加熱すると、表面が緻密で内部が多孔の小球が得られることが分かった。
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Research Products
(3 results)