2004 Fiscal Year Annual Research Report
エラスチンの分子集合特性を利用した薬物放出制御担体の設計
Project/Area Number |
16700364
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 衣織 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50311858)
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Keywords | エラスチン / ペプチド合成 / 薬物放出制御 |
Research Abstract |
分子集合機能を有するペンタペプチド(GVGVP)繰り返し構造を基本にして、GVGVPと同様にエラスチンの高ホモロジー領域に共通して存在し、抗血栓性を有するヘキサペプチドVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly(以下VGVAPGと略す)繰り返し構造の適当量をブレンドしたポリペプチドのデザイン・合成を行った。上記2種の配列に加え、GVGVPの2残基目をValからPheへ変換したGFGVPの配列を組み込んだ4種のポリペプチドを化学合成した。合成はBoc法を用いた液層合成法で行い、各々の保護ペプチドBoc-GVGVP-OH、Boc-GFGVP-OH、Boc-VGVAPG-OHを合成し、種々のモル比で混合したランダムコポリマーを合成した。各ペプチド配列の混合比はGVGVP:GFGVG:VGVAPG=10:0:0、8:2:0、10:0:1及び8:2:1である。 合成したランダムコポリマーの水溶液を調製し、濁度測定を行って分子集合特性を調べた。溶液濃度は0.4mg/mlで0.5℃の割合で5℃から55℃まで昇温した後、同じく55℃から5℃まで降温させて400nmでの吸光度を測定した。濁度測定の結果、合成した全てのポリペプチドは分子集合特性を示し、特にヘキサペプチドVGVAPGを組み込んだコポリマーは40℃付近から分子集合を開始したが、GFGVPを組み込んだコポリマーは25℃と低い温度から白濁を開始し、高い分子集合特性を有することが示された。また合成した各ポリペプチドのCD測定を、行ったところ、合成した全てについてII型βターンを含むβ構造を持つことが示唆されたので、分子集合特性の発現にはβ構造を持つことが必要であることも示唆された。さらに、リン酸化酵素によってリン酸化反応を受けるペプチド配列Arg-Gly-Tyr-Ser-Leu-Glyの合成を固相法を用いて完了した。
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Research Products
(2 results)