2004 Fiscal Year Annual Research Report
視覚誘発電位を用いた色覚特性と視認性の客観的計測法の開発
Project/Area Number |
16700370
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
百瀬 桂子 神奈川工科大学, 情報学部, 助教授 (60247210)
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Keywords | 視認性 / 色覚 / 視覚性事象関連電位 / P300 / 客観的計測 / 一対比較法 / 無彩色刺激 |
Research Abstract |
本研究は,色刺激に対する視認性の客観的計測の開発と,色覚障害者の視認性評価への展開を目的として、従来の第一次視覚野のVEPを用いた色覚特性計測法に,高次連合野における視覚性事象関連電位P300の計測を組み合わせた計測法の実現を図るものである.本年度は、視認性の評価方法として、視覚性事象関連電位P300の有効性を確認した。 まず、明るさのことなる無彩色(灰色)の視覚刺激に対する主観評価を実施し,刺激のコントラストた対する「見やすさ」の尺度化を行った。背景色が白および灰色、記号色を白・灰・黒のいずれかとする合計15種類の視覚刺激をカラーモニタに表示し、10名の健常大学生に、段階評価を用いるジェッフェの一対比較法により判定を行ってもらった。その結果、刺激のコントラストの増大に伴って尺度値が増加する傾向を確認できた。 次に、先に使用した刺激のうち、5種類の刺激について、視覚性事象関連電位P300を頭部全域から記録し,主観評価結果との相関を検討した.表示刺激はあるアルファベット文学Eとそれを横向きにしたものとし、前者を標準刺激(高頻度出現)、後者を標的刺激(低頻度出現)とし、1:4の比率で計100回をランダムな順序で表示した。低頻度刺激の出現時にボタン押しをさせ、P300とボタンを押すまでの反応時間を記録した。電極は国際10-20法に従い頭部10箇所に設置した。その結果、見やすさの尺度値が高い刺激ほど、P300潜時と反応時間(ボタン押し)が短かった。その傾向は、頭頂から後頭部に強くみられ、一部前頭部においてもみられた。P300は視認性の客観的指標として有効であることが示唆された。今後、色覚特性の短時間計測と組み合わせた方法を提案し、原理確認を実施予定である。
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