2005 Fiscal Year Annual Research Report
小型バイオポンプを用いた拍動心筋におけるカプセル型人工赤血球の微小循環の解析
Project/Area Number |
16700372
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
立花 博之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (00241216)
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Keywords | 冠微小循環 / 局所血流分布 / カプセル型人工赤血球 / 小型体外循環システム |
Research Abstract |
血液代替物として、開発されている精製ヘモグロビンをリポソームに封入したカプセル型人工赤血球は、酸素との親和性が高く酸素運搬能は生体の赤血球より高く、他の修飾ヘモグロビンや赤血球をも上回る代謝改善機能を有することが確認されつつある。本研究では、血液粘性などレオロジカルな特性や、血中酸素分圧、二酸化炭素分圧、pHなど代謝機能に影響する因子をコントロール可能とする小型ポンプを用いたシステムの構築を行い、我々の独自技術であるダブル分子トレーサ・デジタルラジオグラフィにより、ラット心筋を対象としてカプセル型人工赤血球灌流時の心筋局所灌流分布の評価を行った。 まず、小型ポンプシステム(体外循環回路部分、人工肺部分、ポンプ部分)の試作・構築を試みた。システム構築にあたって、最大の関門はプライミングボリュームであった。摘出拍動心(ラット・ランゲンドルフ心)へ血液の供給を行うための必要回路構成を検討し、体外循環回路内充填血液(灌流液)量が最も少なくなるように努めた。汎用のローラーポンプを用い、タイゴンチューブ(内径2〜4mm)で体外循環回路を構成し、血液(灌流液)を流し摘出拍動心を灌流した。血液(灌流液)の酸素化は、人工肺の代わりに麻酔下ラットを用いた交差灌流の手法を用いて基礎データの収集を行った。その結果、人工肺部分、およびポンプ部分を除く、回路部分のみプライミングボリュームには、30〜40ml程度必要であると考えられた。次にポンプシステムを血球損傷の点で有利な遠心ポンプへの発展を試みた。しかし、カプセル型人工赤血球は通常の血液(全血)に比して粘性が著しく低いため小型化されたポンプでは広いレンジの拍出量を得ることが困難であった。低粘性においても十分な拍出量を得ることを可能とするポンプの開発は今後の課題とされた。
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Research Products
(1 results)