2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の非侵襲的温熱治療のための回転磁場印加法の研究
Project/Area Number |
16700381
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (60282159)
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Keywords | 非侵襲的温熱療法 / 回転磁場 / 感温性磁性体 / 治療技術 / 誘導加熱 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
平成16年度は回転磁場印加システムを開発するとともに実験環境の構築に重点を置いた.ここでは,数種類のコイルを組み合わせ最適な磁場印加装置を開発するとともに,2Ch出力のファンクションジェネレータと2台の電力増幅器を用いて,任意の磁束密度,周波数の回転磁界を発生させることに成功した.高周波磁場の影響を受けずに温度を測定するために光ファイバー温度計を用いて周波数および磁束密度を変え,φ11mmの鉄球を入れた生理食塩水の昇温特性を測定した.得られた成果を以下に示す. I.回転磁場印加装置の開発:回転ベクトルを円状に発生できる回転磁場印加装置を作製した.楕円状の回転ベクトルを正円状に調整することで,発熱効率が上がることを確認した. II.異なる粒径の鉄球の発熱効率の比較:ヒステリシス損は体積に,うず電流損は厚さの2乗に比例するとの理論式の通り,粒径の違いによる発熱温度の違いを確認した. III.鉄球が静止している状態では回転磁場の効果が得られないことを確認した. IV.鉄球が自由に回転する条件では静止条件と比べ発熱温度が1.4倍上昇することを確認した. 以上より,回転磁場印加法を用いることで誘導加熱の効率向上が可能であることを実証することができた.一方,キュリー点を調整したフェライトにより加熱温度を制御する感温性磁性体の開発を(株)TDKと共同で進め,約10mT,178kHzの高周波磁場中で寒天培地中に封入した感温性磁性体を一定温度で発熱させることに成功した.
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Research Products
(4 results)