2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた患部追跡型低侵襲癌治療システムの開発
Project/Area Number |
16700382
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柳田 裕隆 山形大学, 工学部, 助手 (80323179)
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Keywords | ソノケミストリー / ESR / ラジカル |
Research Abstract |
超音波イメージングの高速化とダイナミックレンジの向上 実験の準備段階で、超音波診断装置標準ターゲットの3次元像を撮像することに成功しているためにほとんどのハードウエアは研究室製の超音波撮像システムを流用した。送受信レートは0.2msec間隔であり,原理的には150mmの距離にある動く対象を1秒間に5000コマの最大速度で観測することが可能なシステムである。しかし,画像化するための信号を高速で得ても、画像化処理用のコンピュータに汎用のPCを使用しているため、送信32ch受信32chでは画像形成に約5分を要している。この画像化処理を高速化するために、Linuxベースの市販のユニットを組み合わせて8ノードまでの並列計算システムを構築した。この上で信号処理ソフトウェアを開発し、像再生の高速化をはかった。具体的にはこれまで使用していたプログラムにMPIを実装し並列計算を可能にした。現在32chの送信子を駆動して画像を得ているが、その計算時間は1/6〜1/7程度に減少し、並列計算の効果を得ることに成功した。 本研究で用いる3次元超音波撮像システムは3次元像が得られるにもかかわらず、市販の2次元用医療診断装置の半分以下の数の超音波素子(ch)しか使用していない。そのために得られた画像のダイナミックレンジは15db程度と市販の2次元像用の50dbに比べてかなり劣っている。素子数を増加させるとダイナミックレンジは向上するものの計算時間が増えることになる。シミュレーション結果から、8ノードの並列計算システムでは素子数を128まで増やしても計算は安定して行われ、計算時間も5分で行えることが明らかになった。 素子数を128に増加させた場合のダイナミックレンジは30dbとなることもシミュレーションより明らかにした。さらに素子数を増加させた場合、その効果はほとんどなくなることを明らかにした。この結果より本手法による最適な超音波プローブは128chの送受信で行うということがわかった。市販の50dbには及ばないものの一秒間に5000コマのフレームレートを考えれば、十分利用できると言える。128chでシステムを駆動できるよう改良中で、現在は64chまで可能なシステムを作製した。
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Research Products
(2 results)