2004 Fiscal Year Annual Research Report
導電性膜によるウイルス濃縮・遺伝子分離技術を利用した高感度ウイルス検査法の開発
Project/Area Number |
16700389
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅原 俊継 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (70337012)
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Keywords | ウイルス検査 / 遺伝子診断 / 血中ウイルス / 導電性膜 / 遺伝子分離 / ウイルス濃縮 |
Research Abstract |
血液製剤を介した肝炎ウイルス(HCV、HBV)やヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染が今もなお残されている。この問題を解決するために全く新しいウイルス検査法の開発を進めてきた。これまで模擬血清(ウシ血清に血液保存液を添加)試料中のDNAウイルスを対象に、独自に作製した導電性中空糸膜という分離膜を使って電気的に遺伝子分離を行った後、LAMP法と呼ばれる新たな遺伝子増幅法を利用して遺伝子増幅を行うことで、従来法よりも低濃度の試料からウイルスを検出でき、さらに検出時間の短縮も図れた。平成16年度は、この結果に基づき、血清個体差の影響について検討し、さらには臨床材料に限りなく近いヒト血液試料を作製し、臨床応用の可能性についても検討した。 血液成分は個人によって大きな差はないものの、食事の内容、体調などによって多少の変化が見られる。従来法は、そのわずかな変化によって、ウイルスの検出感度に差が見られていた。そこで本研究では、ロットの異なった模擬血清試料を用意し個体差の影響について検討を行ったところ、個体差の影響を受けず、すべての模擬血清試料に対して同様の検出感度となった。次いで、臨床材料に限りなく近いヒト血液試料(ヒト血液に血液保存液を添加)を作製し、それを対象にウイルス検出を試みた。その結果、これまでの模擬血清試料と同様の検出感度が得られ、臨床応用が十分に可能であることが初めて示された。 血中ウイルスにはDNAウイルスの他に、RNAウイルスも存在する。そこで、本検査法がRNAウイルスにも適用可能かどうかについて検討を行うため、現在その準備を進めている。
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Research Products
(6 results)