2004 Fiscal Year Annual Research Report
医用重粒子線CTにおける最尤推定型画像再構成アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
16700391
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
村石 浩 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (00365181)
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Keywords | 断層撮像装置 / 放射線治療 / 画像再構成アルゴリズム |
Research Abstract |
本申請では、医用重粒子線CTにおける臨床応用を想定した空間分解能及び密度分解能の向上のため、重粒子線の特徴を考慮した新しい画像再構成法の開発を行うことを目的としている。平成16年度は、まず、X(γ)線断層撮像装置の分野で先駆的に開発が行われている最尤推定型画像再構成法、とりわけEMアルゴリズム(以下XMLEMと呼ぶ)を重粒子線CTに応用するための検討を行った。X-ML-EMは、これまでに放射型CT(核医学装置)と透過型CT(通常のX線CT)の2種類が定式化されている。なかでも、本研究の対象となる透過型に関しては、解析的な導出が困難であることから、さまざまな近似解が提唱されている現状にある。さて、一般に、医用重粒子線CTでは、被写体内の相対電子密度分布を得るために、重粒子線が被写体内で電離損失によりエネルギーを失った後の残留飛程(又はエネルギー)を測定することとなる。これは、X線CTのようにX線そのものの統計的な減弱の数を測定する方法とは原理的に異なるため、透過型X-ML-EMを直接応用するのは不可能であり、定式化を根本的にやり直す必要があることが今回の調査で判明した。しかし、被写体内における核破砕反応による減弱(診断領域で約10%のオーダー)に対しては、透過型X-ML-EM法を応用できる可能性がある。よって、今後の継続的な研究に期待がかかる。一方、本研究により新しく提案予定の画像再構成計算を行うための準備として、Itanium2搭載64bit型高速ワークステーションを購入し、64bit環境における画像再構成プログラムの動作環境の整備を行った。更に、放医研に設置されている重粒子線加速器HIMAC(^<12>C,400MeV/u)を用いて、我々が現在開発中である「増感紙-CCDカメラ系による医用重粒子線CTシステム」を使用した実際のファントム照射実験を行い、本研究による新手法の有用性を評価するためのデータ収集実験を終えたところである。なお、本研究の進行状況については、今年9月に行われる日韓合同医学物理学会で発表予定である。
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Research Products
(3 results)