2004 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲脳外科手術のための探査型マイクロ手術ロボットの開発
Project/Area Number |
16700393
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 亮一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30366356)
|
Keywords | マニピュレータ / 脳神経外科手術 / 術中診断 / 情報統合 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では、低侵襲的な情報取得・術野確保・治療を実施する統合的Robotized Neurosurgeryシステムの実現を目指し、このシステムの構成要素である1)ミクロ機能情報取得を元に,画像・機能情報誘導下で必要最小限かつ十分な術野を確保する探査型マニピュレータシステム、2)小さな開頭でのアプローチでも安全に腫瘍全摘を可能にする低侵襲マイクロマニピュレータシステム、の二つのマニピュレータと、それを支援する目となる3)医用画像のマクロ情報とミクロ機能情報を統合したナビゲーションシステム、といった要素技術開発を目指す。 今年度は、探査機能について1)5-アミノレブリン酸をもちいた術中蛍光測定による腫瘍領域同定マイクロマニピュレータ、および2)拡散強調画像(DWI)を用いた白質神経線維の術中可視化、というマクロとミクロの情報探査について研究を行った。また、これら術中に得られる診断情報を統合的に表示し、また手術室内のみならず遠隔のHead Quarterにおいてもリアルタイムに情報の獲得が可能な3)術中探査情報統合提示システム(手術戦略デスク)の構築も行った。 1)の探査型マイクロマニピュレータは、脳外科手術で用いられる吸引管に励起光誘導ファイバと蛍光受光用ファイバを統合し、脳深部のポイントにおいて腫瘍の発する蛍光の同定を可能にした。現在マニピュレータ本体の試作を続けており、マニピュレータによる精密誘導手術の実現を目指す。2)の白質神経線維の術中可視化は、低磁場術中MIU装置でのDWI撮像のためのプロトコル最適化、受信コイルの改良を通じて、推体路の可視化に成功した。現在術中神経活動電位計測の結果と対比しながら精度の検証を行っている。3)の戦略デスクでは術中診断情報及び16チャンネルの術場内映像・音声を統合的に表示、かつ機器の遠隔操作も可能なシステムの試作を行った。
|