2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法のための最適照射条件を導き出す逆問題解法線量評価システムの研究
Project/Area Number |
16700394
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
熊田 博明 特殊法人日本原子力研究所, 研究炉部, 研究員 (30354913)
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Keywords | BNCT / 治療計画 / インバースプランニング / DANTSYS / 随伴線束 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍等の治療法確立を目的にホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の臨床研究が日本を始め世界各国の研究用原子炉を用いて実施されている。このBNCT研究において、患者に照射する中性子ビームの最適条件を逆問題解法によって効率的に導き出す治療計画システム(インバースプランニングシステム)の研究を開始した。 平成16年度は、これまで研究開発してきたBNCTの線量評価の基盤技術である計算システムについて、米国ボストンで開催された国際中性子捕捉療法学会、国内の日本原子力学会、目本医学物理学会等で発表するとともに、関連する研究内容を論文等に報告した。これらの研究によって、日本原子力学会の学会賞(技術賞)(平成17年3月)、日本原子力学会北関東支部若手研究発表会最優秀発表賞(平成16年4月)を受賞した。 逆問題解法計算によって最適照射条件を導出するインバースプランニングシステムの研究として、患部側から炉心線源側に向かって随伴線束を算出できる計算コード・DANTSYS(米国ロス・アラモス国立研究所)を整備した。このD細TSYSを用いて円筒水ファントムに対して中性子ビーム照射を行う評価モデルを設定し、炉心線源側からファントムに対し中性子照射を行い、ファントム内の中性子束分布を算出した。この計算結果と従来のモンテカルロ計算コードによる計算値、実際の照射場でのファントム実験値との比較を行い、DANTSYSが適切な中性子束分布の計算を実行できることを確認した。 平成17年度以降は、この円筒水ファントムモデルに対して随伴線束計算を実行し、ファントム内の中性子分布を基に炉心線源側の条件を導き出す手法について研究を行う。さらにこの随伴線束計算をモンテカルロ計算に対しも応用できるかどうか検討を行う。
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Research Products
(4 results)