2006 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲診断・治療を目的とする内視鏡-MRI融合によるIVR支援システムの開発
Project/Area Number |
16700396
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
松岡 雄一郎 (財)先端医療振興財団, 分子イメージング研究グループ, 研究員 (80372150)
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Keywords | MRI / 内視鏡 / IVR支援システム / 低侵襲診断・治療 |
Research Abstract |
近年普及している内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)では胃粘膜下層以深の動脈識別が課題となっている。動脈描出法としてNBI(Narrow Band Imaging)やIRI(Infra Red Imaging)があるが、限界がある。そのため本年度は胃壁を撮像対象部位し、MR内視鏡による胃壁内の血管描出を目指した。内視鏡用RFコイルを直径50〜80mmのサーフェス型で試作し、摘出ブタ胃を対象として10%ホルマリン液あるいは生理食塩水を満たした容器内に入れて実験を行った。血管描出法として、MR造影剤(Magnevist, Schering)を5mMに希釈して胃大網動脈より注入、また血管固定剤(MICROFIL, Flow Tech,Inc.)も同時に注入した。Fast Spin EchoでのT1Wで、筋層内の血管を識別し得た。しかし、粘膜下層では全体的に強信号となり血管識別は困難であった。血管固定剤とMR造影剤との親和性が低いために分離し、血管より造影剤が漏出したためと考えられる。得られた画像の空間分解能は0.315〜0.469mm^2×3〜5mmであり、胃粘膜下層以深の動脈太さを約1.5mmと仮定すると、描出能力は十分と考える。実用化においては、造影剤注入後の撮像タイミングやパラメーター最適化など動物実験での調整が課題である。 一方、ナビゲーションとしてのMR-GPSは、内視鏡機器やセンサ周囲の物質などが、検出する誘導起電力に影響を与えないことを実験的に明らかにすると共に、位置および姿勢推定を誤差約8mm、約7度に改善した。また摘出ブタ胃の内視鏡像に対し胃壁MR像を模擬的に重畳表示可能とした。静的環境下ではあるが、内視鏡-MRI融合システムの基礎的な機能が確立できた。動的環境に対しての改善が今後の課題である。
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