2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動を利用したコミュニケーション機器に関する研究
Project/Area Number |
16700414
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
比嘉 広樹 琉球大学, 工学部, 助手 (60295300)
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Keywords | コミュニケーション機器 / 眼球運動 / 画像解析 / ラベリング |
Research Abstract |
本研究では,筋萎縮性側索硬化症等による寝たきりの人を対象に,眼球運動とまばたきによりコンピュータ等のIT機器へ入力を行い,他者とのコミュニケーションを行うための機器の開発を検討している. 今年度は眼球運動検出システムを試作した.具体的には,まずCMOSカメラを用いて健常者1名(22歳男性)の右眼の静止画像を取得し,YIQ表色系変換,2値化処理した後,得られた画像データより眼球運動(内転,外転,上転,正面視)とまばたきの判別を行った.画像は横352×縦288ピクセル,24ビット形式とし,プログラムの作成にはVisual C++を使用した.なお,比較のため,テンプレートマッチングとラベリングの2手法でプログラミングを行った.また本補助金にて購入した眼球運動計測装置により,同被験者の眼球運動の特徴パラメータを計測し,プログラムの諸パラメータとして組み込んだ.実験結果より両手法において眼球運動とまばたきが良好に判別できることが分かった. 次に同システムにおいてリアルタイムに画像処理を行うために,同被験者の右眼の動画像に対して上述の実験と同様に処理を行い,眼球運動とまばたきの判別を行った.ここでは,動画像処理を行うためにDirectXのDirectShow機能を活用した.実験結果よりテンプレートマッチングでは97.8%,ラベリングでは93.8%の割合で眼球運動とまばたきの判別ができることが分かった.また処理速度の観点から両者を比較すると,前者で4〜6フレーム/秒,後者で8〜50フレーム/秒という結果が得られた.現在,高速処理可能なラベリングを用いた眼球運動検出システムと文字入力機能(入力された文字列をディスプレイ上に表示,あるいは電子メールにその内容を送信する機能)を組み合わせ,眼球運動やまばたきの割当や入力法の検討を行っており,その成果を7月の国際会議にて発表する予定である.
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