2004 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害児におけるシンボルを用いたPDAの有用性に関する検討
Project/Area Number |
16700416
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
大歳 太郎 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (40336483)
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Keywords | 自閉症 / シンボル / PDA |
Research Abstract |
自閉症児に対するPersonal Digital Assistant(以下PDA)にシンボルを取り入れ使用する介入の効果的活用には,シンボルの妥当性の問題,すなわち,名詞群は比較的用意であるが,形容詞群や動詞群を表すカテゴリーシンボル作成の困難さの問題が指摘されている。このカテゴリーシンボルが適切でないと具体的なシンボルの選択ができず,PDAそのものの活用が制限されてしまう。そこで本研究の目的は,自閉症児に対してPDAを用いて4択のマッチング課題を実施し,同一シンボルのマッチングとカテゴリーシンボルのマッチングにおける正答数の差に関して検討した。対象は,自閉症と診断を受け,保護者の同意を得ることができた児5名である。平均月齢は93±24ヶ月であり,精神月齢幅は48-62ヶ月までであった。測定器具には,シンボルを利用したPDAの一つであるトークアシスト(明電ソフトウエア)を用いた。方法は,1)同一シンボルのマッチング,2)カテゴリーシンボルのマッチングに関して,4cm×4cmの視覚呈示用シンボルを児に呈示し,トークアシスト上に表示されている4つのシンボルの中から1)同じシンボルを選択する,2)同じカテゴリーに属するシンボル,を選択させた。視覚呈示用シンボルは,名詞群15個,形容詞・副詞群18個,動詞群17個の計50個用いた。結果,「高い」「少ない」「そっと」といった形容詞・副詞群シンボルで3個,「待つ」「食べる」「脱ぐ」「着る」「投げる」「読む」といった動詞群シンボルで6個,有意差を認め(p<0.05),いずれも同一シンボルよりカテゴリーシンボルの得点が低かった。同一シンボルのマッチング得点は高いことから,これらのシンボルを指すカテゴリーシンボルを再検討する必要があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)