2005 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の平衡反応に対する評価・支援システムの開発 〜感覚統合の視点から〜
Project/Area Number |
16700418
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 祐子 首都大学東京, 健康福祉学部, 研究員 (60289973)
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Keywords | 前庭刺激 / 平衡反応 / 健常児 / 動作解析 |
Research Abstract |
1.装置の改良 平成16年度に試作した装置の問題点を考慮し,装置の改良を行った. 1)スウィングの懸垂部分をロープからステンレスパイプへ変更し,モータでの制御を容易にした. 2)左右への揺動を抑制するため,上部パイプと懸垂パイプの接合部を専用金具で固定した. 3)評価のための揺動プログラムのバージョンアップを行った. 2.健常児に対する調査 1)目的:前庭刺激が姿勢反応に及ぼす影響について,試作システムと動作解析手法を用いて分析し,健常児童の反応を定量的に捉えること. 2)方法:対象者は健常児16名(4歳-5歳).頭頂・肩峰・胸骨・大転子に動作解析用のマーカーを貼付.試作システムによる前後方向の揺れ刺激は連続60秒間.最大振幅は3[deg],周期は2.6[sec]とした.視線を固定した場合と,視線を自由にした場合の2条件について調査した.開始後30-40秒の姿勢反応及び揺れ刺激経験前後でスウィングシートを左右に傾斜させた際の立ち直り反応について,3次元動作解析を行った.3次元動作解析は,装置の動作及び被験者の姿勢をビデオカメラで撮影し,得られた動画を用いて3次元動作解析ソフトFrame-DIASにより解析を行った.また,スウィングに乗る前後に片足立ち検査を実施した. 3)結果:スウィング上で姿勢が不安定な児童は,揺れに対する頭部の角度変化が大きく,頭部が大きく動いていることが確認された.また,片足立ち検査のスコアが低い傾向にあった.スウィング上の姿勢を頭部及び体幹の角度変化により分析した結果,姿勢が不安定な対象者は,視線固定により頭部の角度が安定していた. 4)考察:今回の調査より,片足立ち検査の結果と,試作装置上での平衡反応には関連性があると考えられる.また,視線の固定が姿勢全体の安定に関与することが示唆された.
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