2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の運動制御に関する脳神経系の発達過程の解明-健常乳児・リスク早産児の比較-
Project/Area Number |
16700439
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高谷 理恵子 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (90322007)
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Keywords | 運動発達 / 早産児 / 発達障害 / 自発運動 / 運動解析 |
Research Abstract |
寝返りを始めるまでの乳児は,覚醒時に仰向けに寝た状態で,四肢を含む全身の運動を数秒から数分にわたって行う.これは一見して規則性をつかみにくい複雑な運動でGeneral Movement(GM)と呼ばれ,臨床的な重要性が指摘されている.しかし,その動的性質や発達における役割は明らかになっていない.本研究では,まず第1にGMの複雑さを客観的・定量的に評価し,発達障害との関係を明らかにすることを目的に研究を行った. 本年度も昨年度に引き続き,長野県立こども病院新生児病棟の協力を得て,low-risk早期産児の自発運動の2次元計測を行った.これまでに記録された早期産児は計45名であり,全て満期時点において運動を計測している.引き続き対象児を増やすとともに、これらの乳児の発達フォローアップを行っている.上記の乳児の中には,後に発達障害を伴う乳児が含まれていることが予想されるが,現時点ではまだ発達予後が確定されていない乳児が多い.そこで,典型的なabnormal GMの特徴を検討するために,ハイリスク児の運動を評価する方法を示した教育用ビデオ,Spontaneous Motor Activity Diagnostic Tool(The GM Trust,1997)で紹介されている正常なGM10例,および異常なGM10例の動画をPCに取りこみ,四肢の運動軌跡を作成した.典型的なAbnormal GMは四肢を同時に収縮または伸展することが多く,現在はこれらの時系列データをもとに,四肢の動きの同時性に着目した定量化を試みている.今後は,GM典型例から得られたAbnormal GMの特徴を参考に,フォローアップ状況を確認しながら発達障害との関係を考察していく予定である。
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