2004 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の神経系発育のための運動遊びが動作の「巧みさ」に及ぼす影響の縦断的研究
Project/Area Number |
16700444
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 洋 東海大学, 体育学部, 講師 (30372949)
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Keywords | 幼児 / 運動機能 / 神経系 / 筋電図 / 跳躍動作 / 運動遊びプログラム / 巧みさ / バランス |
Research Abstract |
スキャモンの発育発達曲線にみられるように、神経系の発育は幼児期に著しい。本研究の目的は、幼児期における神経系発育を狙って作成した運動遊びプログラムが、動作の「巧みさ」に及ぼす影響を縦断的に検討することである。これを実現するために、まずはじめに幼児期における「巧み」な動作の特徴に関してバイオメカニクス的・生理学的な指標を用いて明らかにすることを目的として実験を行った。神奈川県横浜市内のA幼稚園の年中・年長幼児を対象として、一般的なパフォーマンステストの結果、および保育者・運動指導者の主観的評価を基に、運動の得意な幼児と苦手な幼児を抽出した。抽出した二群に対して両足による跳躍動作を行わせ、ビデオ映像による二次元動作解析と下腿より導出した表面筋電図より、動作の違いとそれを生じさせる神経機構について検討した。運動能力の高い幼児の特徴として、跳躍動作時に下腿の前脛骨筋・腓腹筋ともに動作に対応した筋放電がみられた。また、運動能力の低い幼児と比較して、待機立位時の筋放電が少なかった。これらのことから、運動能力の高い幼児は動作に合わせて筋出力を調整し、運動課題を効率よく達成できること、および表面筋電図によって幼児の運動機能と内在する運動制御機構を非侵襲的に評価できる可能性が示唆された。 さらに、同じく神奈川県横浜市内のB幼稚園と、その幼稚園で運動指導を実施している会社と連携し、神経系発育を向上させることを目的とした「運動遊び」プログラム、およびそのプログラムの効果を評価する課題の作成のための基礎的実験を行った。その第一段階として、空手を中心として構成された遊び要素を含んだ運動プログラムを一定期間実施した幼児と実施していない幼児を対象として、上記実験において有用であることが示唆された跳躍動作課題と、我々が新たに考案した運動能力テストを実施した。これらの測定結果に関しては、現在解析中である。
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