2005 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の神経系発育のための運動遊びが動作の「巧みさ」に及ぼす影響の縦断的研究
Project/Area Number |
16700444
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 洋 東海大学, 体育学部, 講師 (30372949)
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Keywords | 幼児 / 神経系 / 跳躍動作 / 映像解析 / 角速度 / 膝関節 / 相互相関関数 / 運動伝導 |
Research Abstract |
スキャモンの発育発達曲線にみられるように、神経系の発育は幼児期に著しい。本研究の目的は、幼児期における神経系発育を狙って作成した運動遊びプログラムが、動作の「巧みさ」に及ぼす影響を縦断的に検討することであった。2005年3月に、協力園である神奈川県横浜市内の幼稚園において、年少幼児(3歳児)および年中幼児(4歳児)60名を対象として、従来広く行われている25m走を行った。加えて、跳躍動作のビデオ撮影を行い、二次元DLT法を用いて跳躍動作時における股関節、膝関節、足関節のKinematics(角度、角速度、角加速度)データを算出した。跳躍動作を離地局面と着地局面に分け、Kinematicsの時系列曲線間に対して算出した相互相関関数(CC)を用いて、各関節間における運動伝導の観点から「巧みさ」を評価した。成人被験者(大学陸上競技部跳躍ブロックに所属する学生)に対しても同様の測定を行った。その結果、離地局面においては各関節のKinematics時系列曲線間のCCが高く、幼児、成人ともに股関節→膝関節→足関節の順で伸展していた。着地局面においては、成人ではCCが高く、足関節→膝関節→股関節の順に屈曲するという順序性が認められた。これに対し幼児では全体的にCCが低く、また個人差が大きいために、明確な順序性が認められなかった。これらは幼児の跳躍動作における特徴のひとつであり、運動の調整を司る神経系機能が未発達であるために生じたと考えられた。 上記の測定項目の発育発達に伴う変化、加えて運動プログラムの効果を検討するために、2006年の3月に同幼稚園において、同じ項目の測定(25m走、跳躍動作の映像撮影)を行った。測定の対象者は、昨年度測定を行った年中幼児(4歳児、昨年度年少幼児)、および年長幼児(5歳児、昨年度年中幼児)60名であった。これらの測定データについては、現在解析中である。
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