2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋及び呼吸循環機能の発達から現代社会に生きる子どもの立位保持能力の低下要因を探る
Project/Area Number |
16700446
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Research Institution | Kinki Health Welfare University |
Principal Investigator |
岡本 孝信 近畿福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (40330518)
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Keywords | 児童 / 筋機能 / 呼吸循環機能 / 立位保持能力 / 超音波 |
Research Abstract |
本研究は最近の子どもの立位保持能力の低下要因が何に起因しているのかを明らかにすることを目的に、筋及び呼吸循環機能の観点から研究を行った。研究計画においては小学校高学年(4から6年生)を予定していたが、小学校の都合により4、5年生のみの測定であった。立位保持能力の測定にはフットスキャン足底圧計測システム(RS Scan INTERNATIONAL社製)を使用し、重心位置、重心前後最大移動距離および重心移動距離の足長に対する割合を計測した。筋及び呼吸循環機能の測定には超音波診断装置SonoSite180PLUS (OLYMPUS社製)を使用し、腓腹筋及びヒラメ筋の筋厚及び膝窩動脈径を記録した。なお、研究計画においては1回拍出量及び大動脈径を計測する予定であったが、測定に際し、被験者の胸骨左縁3から5肋間に超音波診断装置のプローブを固定する必要がある。そのため、測定に対して困惑する児童が出てくる可能性も考えられ。したがって、本年度は1回拍出量及び大動脈径の計測を見送ることとした。 これまで、児童を対象に筋及び呼吸循環機能と立位保持能力との関係に関する研究は皆無である。そのため、先行研究と比較することは出来ないが、いずれの学年においても筋及び呼吸循環機能と立位保持能力との間に有意な相関関係は認められなかった。これらの結果から立位保持能力の低下要因は筋及び呼吸循環機能とは別の要因に起因している可能性が考えられた。しかしながら、次年度は小学校低学年(1から3年生)と6年生の測定を実施する。中でも小学校低学年と高学年においては年齢差が大きいため発育発達過程における影響が見られる可能性も考えられる。そのため大変興味深い知見が得られるものと確信している。
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