2005 Fiscal Year Annual Research Report
サッカーにおけるボールインパクトのバイオメカニクス
Project/Area Number |
16700454
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
布目 寛幸 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (10270993)
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Keywords | サッカーインステップキック / センサーパッド / フォースプレート / 超高速度映像 |
Research Abstract |
本研究では、前年度に明らかとなった圧力センサーシートの欠点:圧力の総和として算出されるボール反力が低く見積もられる傾向、及び数回の試技で回復不能なダメージを負ってしまう点を改善すべく、キックに伴う曲げと負荷に耐えうるセンサーパッドを試作し、その信頼性と耐久性を検証した。 フォースプレート上にセンサーを添付し、45度の角度から初速度を10、15、20、25、30m/sと段階的に変化させボールを投射した。その衝撃力をフォースプレート(5000Hz)とセンサーパッド(500Hz)で同時に測定し、フォースプレートのデータをReferenceとして、センサーパッドのデータとの妥当性を検証した。その結果、フォースプレートでは力のピークとボール初速度には有意な直線関係(r^2=0.996)が得られたのに対して、センサーパッドでは力ピークはボール初速度を反映しなかった(r^2=0.048)。また、フォースプレートではボールとの接触時間が約10msであったのに対してセンサーパッドでは約14msと接触時間が延長される傾向にあった。センサーパッドでは、ボールインパクトによる力の立ち上がりの部分を十分に捉えることができない傾向が顕著であり、センサー自体の応答周波数特性によるものであると考えられた。この応答周波数特性の改善が最も重要な改善課題であると考えられた。 これらの結果から、ボールインパクト中の足への力の入力を正確に記述するためには、超高速映像によってボールの運動量の変化から絶対値を補正する必要があると考えられた。ボールインパクトの局面を数名のサッカー熟練者について超高速度(2000fps)撮影した結果、インパクトの初期においてボールの変形のみが生じ、ボール自体の運動量がほぼ0である時間が2ms程度あることが分かった。したがって、この間の力を如何に推定するかが、今後の課題として残された。
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