2004 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスにおけるニュー・レフトとスポーツ史研究の潮流II-スポーツ史研究における政治文化的意味の分析-
Project/Area Number |
16700459
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
池田 恵子 山口大学, 教育学部, 助教授 (10273830)
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Keywords | スポーツ / 急進主義 / イギリス / ジャーナリズム |
Research Abstract |
本年度は、計画書記載の通り、19世紀のスポーツと急進主義の関係の総括を行い、新たに得られた成果・知見については、(1)「ブリーズ・エーカーと急進主義『ボクシアーナ』」として、学会発表を行った。既に国内で公表の邦語論文の英訳についても検討していたが、これについても、新たな視点を加えた上で、次年度7月初旬にシドニーで開催予定の第20回CISH国際歴史学会(ニューサウスウェールズ大学)のセクション25 Sport, Politics and Businessにおけるパネリストとして報告することを決定した。発表内容は、(2)"A Political Analysis of the Historical Development of Sports Writing in Britain from the Early Radicals to the New Left"。である。以下にこの2つの論文の概略を記しておく。 (1)ブリーズ・エーカーと急進主義 イギリス19世紀のスポーツ・ジャーナリスト、ピアス・イーガンに与えた思想を検証する上で、急進主義の与えた影響を、彼の伯父、ジョン(通称ブリー)・イーガンとアイリッシュ急進主義との関係から読み解いた。アイルランド、ダブリンの墓地、ブリーズ・エーカーの名称を巡る問題にひとつの鍵があり、ジョン・イーガンの名にちなむことを実証し、急進主義とスポーツの関係を補足した。 (2)2005年7月開催予定、CISH(国際歴史学会)発表予定論文 元イギリスウォーリック大学社会史研究所、De Montfort大学国際スポーツ史文化研究所(ICSHC)教授、トニー・メイソン氏と連絡をとりつつ、19世紀のスポーツと急進主義の関係を総括し、20世紀の政治文化的意味の創出と関連づけた。
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