2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨および骨格筋の廃用性萎縮とその回復過程における機能的形態的不均衡
Project/Area Number |
16700462
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40253926)
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Keywords | 脛骨 / 骨格筋 / 萎縮 / 骨梁構造 / 坐骨神経 / 不活動 |
Research Abstract |
坐骨神経切除によって不使用となったラット下肢骨や骨格筋は萎縮し、骨梁構造も変化する。本実験では、坐骨神経を切除した廃用性萎縮モデルラットを用いて、骨および骨格筋萎縮の経時的変化の関係並びに、2次元的な骨梁構造の経時的変化の様相から萎縮進行程度の不均衡について検討した。 Fischer344雄性ラットの坐骨神経切除もしくは偽手術を11週齢時に行い、その後1,3,7,10日後及び2,3,4,5,6,7,8,10週後に左右の前脛骨筋、ヒラメ筋並びに脛骨を採取し分析に供した。脛骨近位端縦断切片の二次海綿骨については組織形態計測を実施した。 除神経後7-10日で骨梁骨は顕著に低下したが、筋重量は1-3日で急激に低下した。除神経前からの骨梁の幅と長さの低下率(狭小化率:TR、断片化率:FR)を経時的に検討したところ、両者の変化は除神経後7-10日目および5-6週目において一致しなかった。TRとFRの相関関係を検討したところ、狭小化率12-25%の間で最初の断片化が生じ、これらは多段階的に進行した。 以上のことから、坐骨神経切除(不動化)による組織レベルでの形態的変化は7-10日目頃から始まり、それ以降、骨強度にも負の影響を及ぼしているものと推察された。また、骨梁骨の吸収過程において狭小化と断片化の進行程度は段階的に進行し、縦断横断構造の変化過程にも時間的ずれが生じるものと考えられた。さらに、骨と骨格筋の萎縮進行程度は量的時間的に一致せず、両組織間に量的時間的ずれが存在することが示唆された。
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Research Products
(3 results)