2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉の老化防止に、neuregulin(細胞増殖・分化因子)は関与するか?
Project/Area Number |
16700464
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稲嶋 修一郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80372845)
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Keywords | 骨格筋 / 老化 / neuregulin / neurotrophin-4 / RT-PCR / 免疫組織蛍光染色 |
Research Abstract |
上皮、神経、心臓および骨格筋などの多くの組織において、成長、分化、維持に関与する細胞増殖・分化因子であるneuregulin (NRG)は、特に骨格筋内では、筋線維の分化を活性化させ、蛋白の合成や神経筋接合部の機能を規定していると考えられている。このような筋細胞内におけるNRGの重要な役割から、筋の老化にNRGが関与していることが考えられるが、これまでのところ明らかとなっていない。本研究では、加齢により骨格筋内のNRGがどのような影響を受けるのか検討した。実験には、生後3ヶ月齢、12ヶ月齢および24ヶ月齢のC57black/6J系雄マウスを用いた。腓腹筋の一部より7μmの横断切片を作成し、残りの筋よりRNAを抽出した。RT-PCR、免疫組織蛍光染色を行い、筋内におけるNRGのmRNAおよびタンパクの発現の様相を検討した。生後3ヶ月齢と比較し、12ヶ月齢および24ヶ月齢において、筋重量および体重あたりの筋重量は顕著に減少し、筋細胞内に中心核が出現した。腓腹筋内のNRG mRNAは、生後3ヶ月齢と比較し、12ヶ月齢および24ヶ月齢において顕著な発現の減少が認められた。NRGタンパクは、生後3ヶ月齢では細胞膜および細胞内において多量に存在したが、12ヶ月齢および24ヶ月齢では、細胞内に存在するNRGタンパクが激減した。NRGの発現は、神経栄養因子のneurotrophin(NT)による制御を受けることがin vitroの研究より示唆されている。このことから、筋内のNRGとNT-4を二重染色して比較したところ、加齢に伴う局在変化の様相は両者で類似していた。これらの結果より、加齢に伴い骨格筋内のNRGはmRNA、タンパクレベルにおいて減少し、筋細胞内の局在も変化すること、さらに加齢によるNRG発現の減少には、NT-4が関与している可能性があることが示唆された。
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