2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700469
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村山 光義 慶應義塾大学, 体育研究所, 助教授 (20245632)
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Keywords | 運動性充血 / Eccentric収縮 / 動脈流入量 |
Research Abstract |
【目的】触診のように生体表面から捉えられる筋硬度は、一過性の疲労運動後に増加することが観察されている。このため筋硬度は筋疲労等の指標として注目されているが、生体内の変動メカニズムが明確でない。本研究は筋硬度の変動要因として血流量に注目し、一過性疲労運動後の筋硬度と運動性充血の関係を調べるとともに、Eccentric収縮相の有無による筋損傷の影響についても比較を行った。【方法】足関節底屈動作において、錘(MVC40%)の引き上げのみ(Concentric 1s: CON)、引き上げに続いてゆっくりと元に戻す(Concentric 1s + Eccentric 2s: CON+ECC)の2運動様式による疲労実験を行った。腓腹筋を対象とし、筋硬度は特殊計測社製押し込み硬さ計(TK-03C)、血流量はプレチスモグラフ(Hokanson: EC6)によって計測した。【結果】筋硬度は運動直後に20%程度増加し、血流量変化は約6倍増加(Δ=15%)し、いずれも回復15分後にほぼ前値の水準に戻った。しかし、血流量の滑らかな減少曲線に対し、筋硬度減少は回復4分後付近から鈍り、さらに15分以降は前値を下回る変化を示した。一方、運動様式間の比較では、筋硬度において0-3分にCON+ECCがCONに対して高値を示し回復が遅れたものの、その後の変化は筋硬度、血流量とも差はなかった。【考察】運動直後には動脈流入量の増大に伴う顕著な容積変化が筋硬度増加を招いたと考えられる。その後、筋硬度の運動前値への回復が遅れたことは、急激な血流量増加に伴う組織への水分移動とリンパ還流の遅れが流入量減少後も組織容積増大を維持したためと考えられる。次年度は、運動強度を変化させ、血流量と筋硬度の対応関係を調べるとともに、運動様式間の比較に詳細な検討を加えることが課題である。
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Research Products
(2 results)