2005 Fiscal Year Annual Research Report
シトラスフラボノイドに着目した骨粗鬆症予防機序の解析
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16700488
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
千葉 大成 城西大学, 薬学部・医療栄養学科, 助手 (30337779)
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Keywords | ヘスペリジン / 骨粗鬆症 / 骨密度 / 脂質 / フラボノイド |
Research Abstract |
本研究は、柑橘系フラボノイドであるヘスペリジンによる骨代謝制御とメバロン酸経路などとの関連を現象面および分子レベルで解析することにより、その骨代謝調節機序を推定することを目的としている。これまで卵巣摘出(OVX)および精巣摘出(ORX)マウスにおいて骨量減少抑制効果についてあきらかにしてきた。これまでの研究ではエストロゲン欠乏による骨量減少の進行と同時にヘスペリジンの効果を評価したが、本年度は卵巣摘出後、減少した骨量に対するヘスペリジン投与による回復効果について検討した。8週齢の雌性マウスにOVX術を行い、12週齢まで正常食で飼育後、16および20週齢まで実験食にて飼育を行った。その結果、ヘスペリジン投与は子宮に影響することなく、大腿骨BMDおよびCa濃度を正常化した。特に水溶性を高めたαGヘスペリジン投与では早い段階で骨量減少回復効果がみられた。これらの結果は大腿骨遠位部海綿骨の形態計測の結果および骨代謝マーカーであるオステオカルシンやICTPの結果からも裏付けられた。すなわち、卵巣摘出誘導によっていったん低下した骨量に対し、水溶性を高めたαGヘスペリジン投与は早い段階で骨量減少回復効果を示したことから、通常のヘスペリジンに比べ速やかにアグリコンに分解、抱合化され効果を発揮する可能性が示唆された。現在、ヘスペリジンのアグリコンであるヘスペレチンが骨細胞に直接作用し、骨代謝調節因子を調節するかを確認するため、MC3T3E-E1細胞にヘスペレチンなどを添加し培養後、RT-PCR法によりmRNAレベルを調べている。また、上記実験動物の大腿骨における総mRNAを抽出し、HMG-CoA reductase、BMP-2のmRNA発現量の測定も行い、ヘスペリジンによる骨代謝調節機構の検討を行っている。
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