2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイインパクトトレーニングによる骨肥大が体内カルシウム恒常性機序におよぼす影響
Project/Area Number |
16700492
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
長澤 省吾 中京大学, 体育学部, 講師 (40343652)
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Keywords | ラット / 骨密度 / 骨形成 / ハイインパクト / ジャンプトレーニング / 骨肥大 / 代償作用 / カルシウム欠乏 |
Research Abstract |
近年、高齢化が進み骨粗鬆症による骨折が問題視されている。その予防法の一つには、成熟期の骨密度を最大限に増加させることが上げられる。その方法の一つとして、骨に力学的な歪みを加えることで骨強度および重量を効率よく増加させることが報告されている。また、成長期ラットにおけるハイインパクトな運動は、骨肥大に大きな影響をおよぼすことも明らかとなっている。我々の報告では、わずか4週間のジャンプトレーニングでも顕著な骨肥大を起こすことが明らかとなっている。一方、血液Ca恒常性を考えた場合、腸管からのCa吸収量の増大およびカルシウム代謝が著しく改善されることは困難であると考えられるが、多量のカルシウムが骨に添加される中、そのホメオスタシスは維持されている。我々が行っているジャンプトレーニングのようなハイインパクト運動を行った場合では、Caの不足分の補充を全身の骨に由来している可能性が考えられる。 そこで本研究では、ラットに1日当たり10回のジャンプ運動を40日間行わせ、身体各部位の骨密度および骨塩量にどのような影響をおよぼすか検討することを目的とした。 その結果、大腿骨・頚骨の骨塩量および骨密度は、トレーニングにより増加するが、非荷重骨の一部では骨量が減少する傾向があったことが明らかとなった。これは、トレーニングにより骨肥大が起き、他の部位の骨形成に使われるカルシウムが流用された可能性が考えられる。また、ジャンプトレーニングによる下肢の骨量の増加によって骨粗鬆症による骨折を防ぐことはできるが、他の部位の骨量が減少してしまう可能性が考えられる。ゆえに、カルシウム摂取量を増加させ、全身の骨に荷重刺激を与えてカルシウム貯蔵可能量を増やす必要があると考えられる。
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Research Products
(2 results)