2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700493
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 講師 (00351213)
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Keywords | 高齢者 / 栄養 / 咀嚼 |
Research Abstract |
対象は回復期リハビリテーション病院入院中の65歳以上の患者のうち、本研究に書面にて同意を得られ、咀嚼力の評価及び体重測定を施行し得た104名(男性43名、女性61名、平均年齢77.2±7.5歳)。栄養状態として身体計測(身長、体重、BMI、上腕周囲長:AC)、および血液検査(血清総タンパク質、アルブミンなど)、咀嚼機能として、口腔内診査(天然歯数、機能歯数、アイヒナー)について検査した。咀嚼力の評価には咀嚼力判定ガム(LOTTE社製)を用いて測定した。筋力の評価として握力測定、ADLの評価としてFIMの測定、うつ傾向の評価にはGDS-6、認知症の診断にはMMSEを用いた。 一般に栄養状態の指標の一つとされるBMIの分類別(グループ1<18.5、18.5≦グループ2<25、25≦グループ3)における比較では、AC(p<0.001)、アルブミン(p<0.01)、咀嚼力(p<0.05)に有意な差が見られた。咀嚼力測定結果の、25パーセンタイル群、75パーセンタイル群の分類別における比較では年齢(p<0.001)、体重(p<0.001)、AC(p<0.001)、天然歯数(p<0.001)、アイヒナー(p<0.001)、アルブミン(p<0.001)、握力(p<0.001)、BMI(p<0.01)、FIM(p<0.01)、MMSE(p<0.01)に有意な差がみられた。また咀嚼力は性・年齢調整後、アイヒナー(r=0.533,p<0.001)、機能歯数(r=0.327,p<0.01)などと相関がみられた。さらに、咀嚼力に影響を与える因子を検討するため、ステップワイズ重回帰分析を行った。咀嚼力a*値を従属変数とした結果、アイヒナー、BMI、アルブミンが咀嚼力の有意な説明変数として選択された(R^2=0.609)。咀嚼力は栄養状態と関連されていることが示唆された。また、咀嚼力の維持向上が高齢者の栄養状態やADLの維持向上へとつながることが期待される。
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