2005 Fiscal Year Annual Research Report
行動科学に基づく身体活動・運動促進プログラムに活用する教材の開発
Project/Area Number |
16700498
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岡 浩一朗 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (00318817)
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Keywords | 行動科学 / 介護予防 / 筋力トレーニング / 印刷教材 / セルフ・モニタリング / 目標設定 / 刺激統制 / 逆戻り予防 |
Research Abstract |
今年度前半は、前年度に引き続き、行動科学に基づいた教材開発のための基礎研究として、高齢者の身体活動・運動習慣、特に筋力トレーニングに着目し、その実施割合や関連要因の解明に関する研究を実施した。今年度後半には、16〜17年度の基礎研究の結果に基づき、保健医療従事者が、身体活動・運動促進のための介入プログラムに活用するための行動科学に基づいた印刷教材を作成した。得られた成果は、以下のようにまとめられる。 1)高齢者の筋力トレーニング実施割合とその特徴 地域在住高齢者約3,000名を対象に、筋力トレーニングの実施割合について調べたところ、少なくとも週に1回以上実施している高齢者は約15%に過ぎなかった。また、これら筋力トレーニングを実施している高齢者は、運動実施に対するセルフ・エフィカシーが高い、運動実施の際に多くのソーシャルサポートを有している、運動することに対するメリットを強く感じている一方、デメリットをあまり感じていない等の特徴があることが分かった。 2)高齢者の身体活動・運動促進プログラムに活用する行動科学に基づいた印刷教材の開発 高齢者の運動行動の変容ステージ、日歩数、筋力トレーニングの関連要因に関する研究から得られた結果を基に、保健師等の保健医療従事者が介入プログラムで利用するための行動科学に基づいた印刷教材の試用版(運動開始前用、運動開始後用)を開発した。具体的な内容としては、セルフ・モニタリングや目標設定、刺激統制、逆戻り予防といった行動技法を採用し、介入プログラム参加者がセルフ・ヘルプ教材を読むことによって行動的スキルを獲得できるよう目指した。同時に、保健医療従事者がその印刷教材を活用することによってライフスタイル変容のための行動カウンセリングを上手に進めることができるよう配慮した。
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