2004 Fiscal Year Annual Research Report
家庭空間における情報テクノロジーの導入・受容プロセスに関する調査研究
Project/Area Number |
16700505
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
土橋 臣吾 武蔵工業大学, 環境情報学部, 講師 (50350236)
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Keywords | 家庭空間 / 情報化 / コンピュータ / インターネット / 携帯電話 / domestication / 利用者 / 利用環境 |
Research Abstract |
本研究は、「家庭空間における情報テクノロジーの導入・受容プロセス」の解明を目的として実施される調査研究であり、一年目となる本年度は以下の調査活動を実施した。 まず、インタビューを中心とするエスノグラフィックな手法を用いた調査であり、調査対象者の家庭を訪問して行うインタビューを実施した。インタビューでは、コンピュータ、インターネット、携帯電話などが家庭・家族の文脈でいかに利用され、意味づけられているかについての聞き取りを行い、同時に、コンピュータの利用環境の写真撮影、間取り図と情報機器の配置図(対象者自身の記入)などの資料を収集している。また、こうした聞き取りのなかで、情報機器の導入に際して、友人、親戚、近隣における"warm expert"の存在が大きな役割を果たすことが明らかになったため、そうした人々へのインタビューにも着手した。 第二には、質問紙を用いた計量調査であり、特にコンピュータの設置場所や家庭内での共有状況についての質問項目を用意した調査を行った。興味深い知見としては、コンピュータの設置場所については、家族共用の部屋が、また利用形態としても家族共用のコンピュータが相当の割合を占めており、個室で個人が専有するといったコンピュータの普及当初のイメージとは異なる利用状況が広がっていることが分かる。こうした質問紙調査の知見は、各家庭というローカルな場で得られたインタビュー調査の知見を解釈する上での基礎資料として、今後さらに利用していくことになる。 また、以上のような研究の中心となる調査活動に加え、メディア史的な比較の視点を導入する目的で、テレビ導入期に関する高齢者へのインタビューに研究室学生との共同作業で着手し、さらに家庭を取り巻く地域という文脈への関心から、横浜市都筑区の区民ボランティアによる地域情報サイトの構築プロジェクトへの参与観察も行っている。
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