2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700510
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
島田 裕之 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 研究員 (00370974)
|
Keywords | 転倒予防 / 高齢者 / 認知症 / 施設入所 / 介入 / リスクマネジャー / 長期ケア |
Research Abstract |
本研究は認知症を有する施設入所高齢者に対する転倒予防のための効果的な方法を検証する介入研究である。介入方法は、転倒予防を目的とした転倒管理者(転倒リスクマネジャー)を施設に配置し、高齢者の転倒危険行動に対する監視体制の強化を行った。 平成16年度は、1か所の介護老人保健施設における認知症高齢者専門棟での介入を実施した。対象は入所高齢者39名(平均年齢82歳、男性12名、女性27名、Mini-Mental State Examination;平均7.4点)であった。介入は転倒リスクマネジャーが、午前9時から午後5時まで勤務し、対象者の見守りを行った。介入期間は3か月間で24回の介入を計画した。介入日は介入1、対照1、介入2、対照2のコラムを作り、この順に無作為に並び替えられた日付順(月曜から金曜まで)に先着で割り付け、介入日と非介入日を決定した。なお、何らかの事情で介入できない日があれば、ペアとなる非介入日を分析から除外して転倒状況を分析した。 研究期間中に転倒リスクマネジャーが介入できた日数は17日間であった。介入日における介入時間帯、および介入時間帯以外の時間の転倒者数は、ともに0名であった。一方、非介入日における介入時間帯の転倒者数は2名(2回)であり、介入時間帯以外の転倒も2名(2回)であり、非介入日における総転倒者数は4名(4回)であった。 今回の介入では介入日が少なく、観察された転倒回数も少なかったため結論づけることは困難であるが、転倒の危険性が高い認知症を有する高齢者において転倒者を出さなかったことは意義が高いと考えられる。非介入日では4名の転倒者がいることから、施設入所高齢者に対する転倒予防対策として、転倒リスクマネジャーの導入は有益である可能性が高いと考えられた。今後は転倒リスクマネジャーを長期に渡り導入し、転倒予防効果を検証していく。
|