2004 Fiscal Year Annual Research Report
食品糖タンパク質に結合する抗原性糖鎖の細胞性免疫調節活性
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16700527
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Research Institution | Kurashiki Sakuyo University |
Principal Investigator |
木村 万里子 くらしき作陽大学, 食文化学部, 講師 (00351932)
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Keywords | 抗原性糖鎖 / 細胞性免疫 / サイトカイン産生 / ルイスaエピトープ |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに,α1-3フコース及びβ1-2キシロースをコア構造に持つ植物複合型糖鎖(Man3Xyl1Fuc1GlcNAc2)がT細胞(Th2細胞)のインターロイキン4産生及びT細胞増殖を抑制することを報告し,植物抗原性糖鎖がアレルギー疾患治療の糖鎖薬剤となる可能性を示してきた。そこで本年度は,哺乳類に対して抗原性を有する糖タンパク質糖鎖あるいは細胞壁オリゴ糖について,網羅的な構造・機能相関解析を行うことを目的とし、昆虫糖タンパク質(ローヤルゼリー)、花粉アレルゲン及び海藻を試料として用い、以下の研究を行った。先ず、糖鎖を試料糖タンパク質からヒドラジン分解により遊離させた後、N-アセチル化,ピリジルアミノ化により蛍光標識糖鎖を調製した。それぞれの糖鎖をRP-HPLC及びSF-HPLCにより精製後,それらの構造をグリコシダーゼ消化,ESI-MS,糖鎖マッピング法,NMR等により解析した。その結果,数種の花粉アレルゲンには,ルイスaエピトープを有するN-グリカンが結合することが明らかとなった。また本年度は,ポリリジンを担体として使用し,植物抗原性糖鎖を多価数有するネオ糖タンパク質の合成に成功した。来年度は,ルイスaエピトープ含有糖鎖及びネオ糖タンパク質のヒト細胞性免疫系に対する賦活化活性あるいは抑制活性をマウス腹腔マクロファージ及び脾臓リンパ球からのサイトカイン産生を指標としながら検討していく予定である。
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