2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品糖タンパク質に結合する抗原性糖鎖の細胞性免疫調節活性
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16700527
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Research Institution | Kurashiki Sakuyo University |
Principal Investigator |
木村 万里子 くらしき作陽大学, 食文化学部, 講師 (00351932)
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Keywords | 抗原性糖鎖 / スギ花粉アレルゲン / ルイスaエピトープ / ローヤルゼリー / T抗原 / ヒノキ花粉アレルゲン / 花粉症 |
Research Abstract |
平成17年度は,スギ花粉アレルゲンCry j 1に結合するアスパラギン結合型糖鎖にルイスaエピトープが存在することを証明し,論文発表を行った。しかしながら,細胞性免疫活性を検定するために必要となる十分量のルイスaエピトープ含有糖鎖をCry j 1から調製するのは困難であるため,ルイスaエピトープ含有糖鎖を十分量調製するために適切な植物試料の探索を行った。その結果,イネ培養細胞中に発現する糖タンパク質にルイスaエピトープ含有糖鎖が結合していることを明らかにし,抗原性糖鎖の効率的調製法を確立した。更に,哺乳類に対して抗原性を有する糖タンパク質糖鎖あるいは細胞壁オリゴ糖鎖のスクリーニングを行った。その結果,ローヤルゼリー糖タンパク質には,T抗原ユニットを有する複合型N-グリカンが結合することを世界に先駆けて発見した。T抗原は腫瘍抗原の一つであることから,本糖鎖を利用した効率的な腫瘍細胞抗体の生産系確立が可能になると思われる。現在,数種のT抗原含有糖鎖について詳細な構造解析を進めるとともに,これら糖鎖のT細胞からのサイトカイン分泌制御に関わる免疫活性及びローヤルゼリーアレルギー患者の血清との反応性について調査を進めている。また,ヒノキ花粉アレルゲンCha o 1についてもヒノキ花粉からCha o 1を精製後,その糖鎖構造を解析した。その結果,Cha o 1にはルイスaエピトープ含有N-グリカンは結合していないことが明らかとなり,ルイスaエピトープが花粉症発症には直接関与していないことが推察された。
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Research Products
(3 results)