2004 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害学生に対する少人数制クラスの強みを生かした授業方法の検討
Project/Area Number |
16700544
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
新井 達也 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター・障害者基礎教育部門, 助手 (70331303)
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Keywords | 少人数クラス / 個別対応 / 課題分析 |
Research Abstract |
本年度ははじめに,一変数関数をグラフに表現することを題材にして課題分析をおこない,課題分析図を作成し,それに基づいて教材を作成した.つまり,関数式を図(グラフ)に表すために必要と思われる学習項目をピックアップし,それらをできるだけ飛躍が少ない自然な流れに沿って並べて教材化した.扱った関数は,分数・無理・指数・対数・三角関数等の初等関数である.課題分析に基づいて考案した教材を用いて実験的な授業をおこなった.具体的には,関数の定義域,接線の傾きが0になる点,接線の傾きが正(あるいは負)になるような変数の範囲,定義域の端の極限値などを求め,それらの結果を参考にしながらグラフを描く授業である.教材作成者にとっては各項目間の飛躍が小さく,自然な流れに沿った教材を作成したつもりであっても,学習する側の学生にとっては理解が難しいものであることがあり得るので,この教材を評価するために質問紙を用いて調査をおこなった.その結果,教材作成時には思いもよらない項目の必要性が次々と明らかになった.また,より精緻な課題分析が必要であることは当然ながら,各項目に関して相応の練習量の確保が不可欠であることも示唆された.今後,そうした時間をどのように教材の中に組み込んでいくかが大きな課題である,また,筑波技術短期大学聴覚障害関係学科における授業は一クラス十人前後の少人数制が採用されているため,比較的個別対応型の学習支援をおこないやすい.そこで各学生と一対一あるいは一対数人で,個別的な学習活動をおこない,その学生の持つ固有の特性を可能な限り一般化することで教材改善のための参考にした.
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Research Products
(3 results)