2005 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害学生に対する少人数制クラスの強みを生かした授業方法の検討
Project/Area Number |
16700544
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
新井 達也 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教授 (70331303)
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Keywords | 少人数クラス / 個別対応 / 課題分析 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度作成した教材の修正,改善を主におこなった。昨年度は,関数式を図(グラフ)に表すために必要と思われる学習項目をピックアップし,それらをできるだけ飛躍が少ない自然な流れに沿った教材の作成を試みたが,実際に実験的な授業をしてみると,教材作成者にとっては飛躍が小さく,自然な流れに沿った教材を作成したつもりであっても,学習する側の学生にとっては理解しにくい状況がしばしば起こり得ることがわかった。学習者にとって,理解の難しい箇所を特定し,学習項目のさらなる細分化をおこなうことが,学習者の特性に適した教材を作成するために不可欠である。本年度は,個別対応の学習支援に主眼を置き,実験的な授業とその後のアンケート調査のみならず,個々の学生との直接の対話を通して,学習内容の持つ特性及び,各学生の持つ特性に関して分析,考察をおこなった。その結果,これまでに収集されたアンケート等によるデータだけでは見出せなかった学習内容の持つ難しさや学生のつまずきの原因などのいくつかかが示唆された。それらへの対応は来年度以降の検討事項である。本教材は,個別対応を支援するための学習システムを作成するための試案としての位置付けでもある。学習者が学習の際につまずく原因のひとつに,学習支援者の用意した課題や説明等の飛躍が挙げられる。学習項目同士の関連性を調べ,必要に応じて項目を付加することによって学習項目間の飛躍を解消するということの繰り返しが各学生の特性に合わせた教材の提供を可能にする。従って,今後も引き続き,図や動画像などを取り入れ,各学習項目への理解を深めながら,それらを効果的に結び付けていくことを考えていく予定である。
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