2004 Fiscal Year Annual Research Report
Web上の共有教材による双方向対話型インストラクションシステムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16700550
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三石 大 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 助教授 (50305306)
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Keywords | IT教育 / 対話型インストラクション / 共有マルチメディア教材 / インストラクショナルデザイン / マルチメディア授業コンテンツ / 授業シナリオ / 活性化拡散モデル / マルチメディア教材検索 |
Research Abstract |
Web上の共有マルチメディア教材を利用した対話的な授業展開を実現するために、本年度は、(1)双方向対話型インストラクションシステムの設計およびプロトタイプシステムの実装、(2)双方向対話型授業のためのインストラクショナルデザインプロセスモデルの提案、(3)活性化拡散モデルに基づくweb上のマルチメディアデータ発見手法の提案を行なった。 (1)では、対面授業、遠隔授業の双方において、web上で提供される各種マルチメディアデータ(静止画、動画、webページ)を共有教材データとして利用可能な対話型インストラクションシステムの設計を行なった。本システムは、web上の共有マルチメディア教材を教師と生徒との対話に応じて自由に選択、提示し、これに手書き入力による説明を書き込むことで授業を展開することができる。また本システムでは、実施した授業内容を後から再現できる形で時間軸に沿って記録し、授業実施後の復習用教材や、次回授業設計に利用することができる。また、設計に基づきプロトタイプシステムを実装し、高大連携遠隔実験授業において実証実験を行なった結果、その有効性を確認した。 また(2)では、(1)で設計した対話型インストラクションシステム等を利用した効果的な対話型授業の実現のために、授業実施時の形成的評価と、これによる授業設計の見直しが可能な授業設計プロセスモデルを提案した。本モデルは、授業設計-授業実施-総括的評価による授業評価の3プロセスからなる授業設計・実施・評価の外部プロセスと、授業実施時における授業設計の適用-形成的評価による授業評価-授業設計の修正の3プロセスからなる内部プロセスの二重ループを形成し、シナリオの記述により授業設計を行なう。これにより授業内容を明確化し、柔軟で効果的な授業の実施を可能とするとともに、次回授業の設計のための指針とすることができる。 さらに(3)では、web上で提供される多数のマルチメディア教材やコンテンツの効率的な発見のために、活性化拡散モデルに基づくデータ発見手法の提案を行なった。これは、過去のデータ利用履歴とデータ間の関連性に基づき、要求するデータを推定し提供する手法である。今回は博物館で提供されるデジタルアーカイブを例として、提案手法に基づくデータ推薦システムの設計を行なった。これにより、web上に多数提供される共有マルチメディア教材データの中から、必要とする教材やコンテンツの容易な発見を可能とする。
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Research Products
(4 results)