2005 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔実習教育のためのマルチメディア教材作成利用技術に関する研究
Project/Area Number |
16700569
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
市村 哲 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教授 (30350507)
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Keywords | ビデオ / 多視点映像 / 生体情報 / 教育支援 / マルチメディア / 視線 / ハイビジョンカメラ |
Research Abstract |
平成17年度においては,ハイビジョンカメラ1台の収録映像から自動的に講師の動画映像と板書の静止画とを作成し,即座にインターネット配信可能とする講義自動収録システムと,視線等の生体情報を用い,個人の学習ペースに合わせて講義映像をコントロールすることが可能な自主学習支援システムとを研究開発した. 1.電子プレゼンテーションが普及した現在でも,大学等の教育機関において黒板を用いた講義は根強い支持を得ている.講師が講義前にビデオカメラを1台設置しておくだけで,その収録映像から自動的に講師の動画映像と板書の静止画とを作成し,即座にインターネット配信可能とする講義自動収録システムChalkTalkを構築した.板書静止画については,画像処理を施して講師の姿を消去する工夫を施している.1台の固定ビデオカメラのみで黒板全体を明瞭に記録するために解像度の高い民生用ハイビジョンカメラ(HDVカメラ)を用いて実装した.専属カメラマンを必要とせず,また,講義を担当する講師が極めて簡単に利用できることが特徴である.また実装にあたっては,可搬性を重視し,1台の固定ビデオカメラのみで板書全体を記録することができるようにした. 2.個人の学習ペースに合わせて講義映像をコントロールすることが可能な自主学習支援システム「Ghost-Tutor」の構築を試みた.学習ペースを自動的に判別するために,眼球運動の特徴を利用した.眼球運動の測定実験の結果,学習状況の違いによって瞬きの回数,視線の停留時間,視線の軌跡に有意差があることを確認し,この結果に基づいて集中度を定量的に判別する方式を考案した.主な機能としては,例えば学習者が寝てしまったり講義以外のことを考えて映像を見逃してしまったりしたシーンを自動記録する機能や,高い集中状態であるときにシステムが自動的に動画の再生速度を通常より速くする機能などを提供している.システムの評価実験の結果,システムによって学習者の学習状況を高い精度で推定できることを確認し,同時に学習状況に応じて適切なサービスを学習者に提供できることを確認した.
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Research Products
(5 results)