2004 Fiscal Year Annual Research Report
産業科学の公開講義から見る18・19世紀の仏英における工業化過程の比較研究
Project/Area Number |
16700581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 征樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (90361667)
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Keywords | 工業化 / 産業革命 / フランス技術教育史 / 成人教育 / フランス工芸院 |
Research Abstract |
18・19世紀の仏英における工業化過程の比較研究を行うにあたって、本年はとりわけフランスにおける産業科学の公開講座の展開過程、そこで教えられた産業力学の具体的な内実、および公開講座を取り巻く工業化の進展プロセスについて、多様な観点から調査し、検討した。具体的には、とりわけ以下の4点について検討を行った。 (1)フランス工芸院で行われた産業科学の公開講座について、その設置プロセスと具体的な展開について、イギリスにおけるメカニックス・インスティテューション運動との関係に着目しながら、調査・検討を行った。 (2)公開講座で中心となった産業力学の具体的な内容とその位置づけについて、通時的には科学史的観点から、また共時的にはデッサン法など他の教育内容との関わりという観点から、調査・検討した。 (3)フランスにおける産業科学の公開講座の展開を、職人層を対象とした技術知の多様な普及過程のなかで位置づけるべく、19世紀前葉に訪れた技術書の出版ブームについて、出版目録などを資料として定量的・定性的な分析を行った。この点については、『科学史研究』に掲載(予定)の「復古王政期フランスの技術書出版ブーム」(印刷中)としてまとめた。 (4)19世紀フランスにおける工業化過程において、産業科学の公開講座と並んできわめて重要な役割を担い、また、公開講座とも密接に連動した産業博覧会の展開について、公式の報告書や各種資料をもとに調査・検討した。
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