2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際競争下における野菜流動体系の変化と北海道野菜産地の再編成
Project/Area Number |
16700588
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梅田 克樹 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20344533)
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Keywords | 野菜産地 / 北海道 / トマト / ダイコン / GIS(地理情報システム) / 野菜流動体系 / コンヴァンシオン |
Research Abstract |
1)農業センサスの集落カードなど小地域単位の統計を用いて、GIS(地理情報システム)による解析を実施した。今回、研究対象とした野菜は、多様な品目を有するうえ他作目に比べて産地の盛衰も激しいという特徴を有する。そこで、前記の計量的手法を用いて、野菜産地の再編成動向を概括的に把握した。この作業によって、トマトとダイコンを研究対象品目に選定するとともに、それぞれ北海道内における生産の分布および変化を明らかにした。 2)所轄官庁である農林水産省や経済産業省の行政資料や、北海道庁・支庁・統計情報事務所・改良普及所・卸売市場・農業協同組合などの関係機関がまとめた文献・資料類を渉猟し、北海道内における野菜産地および野菜流動体系の動向を掌握した。その際、当該テーマに取り組んでいる農学系の研究者からの情報収集にも努めた。 3)まずトマトについて、渡島管内森町と日高管内平取町を主たる研究対象地域に選定し、現地に赴いてフィールド調査を実施した。北海道産のトマトは、その冷涼な気侯と温室ハウスとを組み合わせることによって春秋の年2回収穫し、全国に出荷されている。これは、川下段階における消費が周年化するとともに、それを支える流通が近代化したことに、各産地が対応した結果として捉えられる。そこで、コンヴァンシオン(品質)の優位性を確保するために各産地がどのような対応を採ったのかという点に、特に注目した。具体的には、自治体の農政担当部局や、農業協同組合・農事実行組合・任意集出荷団体のほか、個別に農業経営を訪問し、川下側からのコンヴァンシオンの要求にどのように対応してきたのか、その結果として産地がどのように変化してきたかの解明に取り組んでいる。
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