2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16700594
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
堀 和明 名城大学, 理工学部, 講師 (70373074)
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Keywords | 河成低地 / 沖積層 / 後背湿地 / 河道変遷 / 海進・海退サイクル / 完新世 |
Research Abstract |
昨年度墨俣町の後背湿地(標高約5m)で機械ボーリングにより採取したコア堆積物の解析を進め,河成低地の形成過程を検討した.採取した堆積物については,カラー写真撮影や軟X線写真撮影,土色計(KONICA-MINOLTA製SPAD-503)による色調測定,放射性炭素年代測定をおこなった. 掘削深度約25m付近の沖積層基底礫層直上では約8000yrBPの年代が得られた.基底礫層堆積後,この地点では海水の影響が認められたが,軟弱な中部泥層は堆積しなかった.その後,この地域が海岸低地から河成低地に変化したが,この変化が起こったのは年代測定結果から5270yrBP以降3660yrBP以前と考えられた.さらに,ST2では深度12m付近に侵食面が認められる.この侵食面は砂礫からなる河川流路堆積物が下位の海成堆積物を侵食することで形成されたと推定される.この上位の氾濫堆積物中には,砂を多く含む層準がコアにおいて2回認められた.これは,砂を堆積させるような河川の大規模な氾濫が3660yrBP以降,少なくとも2回生じたことを示唆する. さらに今年度は墨俣町の南側に位置する安八町でコア堆積物の掘削をおこなった.揖斐川の旧河道でおこなった掘削では,深度4.6m付近まで砂礫層の堆積を確認できた.また,すぐそばの自然堤防上でおこなった掘削で得られた堆積物の表層部は,旧河道のそれとは大きく異なっていた.今後,このコア堆積物を解析して堆積物の特徴や河道の埋積時期などを考察し,研究成果を公表していく予定である.
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