2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球観測衛星データを用いた、雲頂高度及び雲底高度の全球分布の導出
Project/Area Number |
16710004
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
久慈 誠 奈良女子大学, 理学部, 講師 (90260653)
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Keywords | リモートセンシング / 雲 / 幾何学的特性量 |
Research Abstract |
本研究は、酸素の吸収帯と熱赤外波長帯の情報を組み合わせた、雲頂高度と雲底高度の同時推定手法を、人工衛星観測データ(ADEOS-II/GLI)に適用するものである。また、その解析結果を、航空機やライダ等による現場観測キャンペーンが行われた期間・領域について、詳細に比較検証する。更に、それを踏まえて、最終的には雲頂高度と雲底高度の全球分布を導出する。 今年度は、次年度以降の全球解析を見据え、衛星データ解析結果が検証可能な領域に対して、詳細な解析を行った。すなわち、人工衛星ADEOS-IIによる観測と同期した現場観測が行われた期間・領域の衛星データを収集し、詳細な解析を行った。 その一方で、現場観測データとの比較についての打ち合わせを行った。2004年6月に長野で開催された研究集会(APEX & ACECAP)に出席し、人工衛星データ解析の結果について発表すると共に、現地観測データの遣り取りについて議論し、調整を行った。すると、本解析手法によって得られた結果は、現地観測と整合性があることが判った。 そこで、その解析・検証結果を、2004年8月に韓国で開催された国際放射シンポジウムIRS2004で発表した。これにより、世界中の研究者と議論を行うことができた。また、2004年10月にスペインで開催されたリモートセンシングの国際学会SPIEで発表を行った。この会合では、雲頂高度・雲底高度を、本研究とは別の手法で導出しようという研究者と意見交換することが出来た。その結果、本研究の手法は、他の手法に比べて安定性が高いという認識を持つことが出来た。 それと並行して、領域解析に必要な容量のハードディスク(数TeraBytes)と高速な計算機システムを導入した。それに加えて、次年度以降の全球解析に必要な地球観測衛星データの取得準備を行った。
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