2004 Fiscal Year Annual Research Report
多環芳香族炭化水素類及び微量金属の同時分析による大気微小粒子の環境動態解析
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16710008
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348809)
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Keywords | 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 地球化学 / 有害化学物質 / エアロゾル / 多環芳香族炭化水素類 / 微量金属 |
Research Abstract |
2004年8月19日〜11月21日の期間の横浜市におけるPM2.5質量濃度平均値は18.3±8.8μg/m^3(n=90)であり、これは北京市に比べて約1/7、バルセロナの約1/2となっており、またホーチミン、カルガリーと同程度のレベルであった。横浜市におけるPM2.5中のPAHs15種の合計濃度は1.43±1.16ng/m^3(n=90)となり、これはサンパウロに比べて約1/2、香港に比べて約1/4と低濃度であった。横浜市では、自動車排気の指標成分となり得るBenzo[g,h,i]perylene, Coroneneといった高分子量PAHsが非常に低濃度であった。一方、PM2.5中の微量金属濃度を世界の各都市と比較したところ、横浜市における微量金属15種(Al,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,As,Se,Cd,Sb,Pb)の合計濃度は1.0±0.6μg/m^3(n=90)となった。これは北京市に比べると約1/2であるものの、韓国光州市に比べて約2倍、ブリズベンに比べて約5倍高濃度であることがわかった。以上のように横浜市においては、PM2.5質量濃度及びPAHs濃度は世界各都市と比較しても若干低目か平均的なレベルにある一方で、微量金属による汚染の度合が大きい事が懸念される結果となった。 次に、PM2.5中のPAHsと微量金属の測定結果を基にして、CMB(Chemical Mass Balance)法を用いて横浜市におけるPM2.5の発生源の推定を行った。その結果PM2.5に対する各発生源からの寄与は、石油燃焼が全体の14%と最も大きく、また化石燃料燃焼や自動車排気等が起源となる二次粒子が53%と大部分を占めた。この結果を中国北京市や韓国光州市での推定結果と比較すると、横浜市においては自動車排気の寄与が小さいこと、また廃棄物燃焼や鉄鋼業の寄与が大きいことが特徴として挙げられる。
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