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2006 Fiscal Year Annual Research Report

外来種の排除が在来生物群集に及ぼす影響評価:外来魚の駆除は有効か?

Research Project

Project/Area Number 16710022
Research InstitutionMeijo University

Principal Investigator

谷口 義則  名城大学, 理工学部, 助教授 (30316145)

Keywords生態学 / 溜め池 / 外来種 / ブルーギル / 生物間相互作用 / 生態系復元 / 外来種の駆除 / 動物プランクトン
Research Abstract

本研究では,外来種ブルーギルと競争関係にある在来魚類および捕食対象である動物プランクトン群集との関係について明らかにすることを目的とした.
(1)ブルーギルと他の外来・在来魚種間のニッチ重複に関する調査
ブルーギルは,在来種よりも餌生物利用の幅が著しく広いこと,また動物プランクトン類,ユスリカ幼虫を中心に利用するため,在来魚種とニッチが大きく重複することが明らかになった.特に,ブルーギルと競争関係にあると考えられる在来魚類は,カマッカ,トウヨシノボリといった底生魚類に多いことも明らかになった.
(2)ブルーギルがタナゴ類に及ぼす競争的影響
タイリクバラタナゴのオスはブルーギルに対して干渉行動を通じて優位になることがほとんどなく,生息空間利用の変更を余儀なくされた.ブルーギルの添加後タナゴの空間利用の変更とドブガイをめぐる種内競争の低下及びドブガイへの接近頻度の著しい低下が示され,ブルーギルが在来タナゴ類の繁殖期に高密度化すれば,後者の繁殖に関わる重要な行動活性が低下し,個体群の減少を引き起こす可能性がある.
(3)ブルーギルとヨシノボリの競争的相互作用
ブルーギルとトウヨシノボリは,分割可能な餌・空間資源がある場合には,容易にニッチを分割して共存することが示された.トウヨシノボリの高密度化は,劣位のブルーギル個体を底生食にシフトさせた.さらに,ヨシノボリ個体数密度の増加は,種内競争を増大させ,反対にブルーギルの採餌頻度・成長率の増大に寄与した.
(4)ブルーギルの個体群抑制が在来水生動物群集に及ぼす影響
動物プランクトンを主たる餌として利用するブルーギルは,プランクトンの群集構造を大きく変化させる恐れが強いことが明らかになった.ブルーギルの個体群を抑制すれば,動物プランクトン生息密度の増大に寄与し,さらにこれらを餌とする水生昆虫及び魚類群集の復元および生態系の修復に寄与する可能性がある.

  • Research Products

    (4 results)

All 2006

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Origin and dispersal of bluegill, Lepomis macrochirus, in Japan and Korea2006

    • Author(s)
      Kawamura K, Yonekura R, Katano O, Taniguchi Y, Saitoh K
    • Journal Title

      Molecular Ecology 15

      Pages: 613-621

  • [Journal Article] Fish reintroductions reveal smooth transitions between lake community states2006

    • Author(s)
      Mittelbach GG, Garcia EA, Taniguchi Y
    • Journal Title

      Ecology 87

      Pages: 312-318

  • [Journal Article] 河川生態系と淡水魚類の生息環境2006

    • Author(s)
      谷口義則
    • Journal Title

      名城大学理工学部研究報告 47

      Pages: 27-30

  • [Book] 水環境ハンドブック2006

    • Author(s)
      谷口義則(分担執筆:水環境学会編)
    • Total Pages
      6
    • Publisher
      朝倉書店

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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