2004 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線感受性の異なるイネのシクロブタン型ピリミジン二量体光回復酵素の構造の違い
Project/Area Number |
16710028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺西 美佳 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10333832)
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Keywords | 紫外線B / イネ / シクロブタン型ピリミジン二量体 / 紫外線耐性機構 / CPD光回復酵素 / DNA損傷 |
Research Abstract |
(1)UVB抵抗性の異なるイネ品種のCPD光回復酵素の構造・機能の解析 UVB抵抗性の異なるイネ品種の中で、日本型品種ササニシキとインド型品種Surjamkhiの葉から可溶性タンパク質を抽出した。CPD光回復酵素を、酵素活性を指標として次のように精製した。硫酸アンモニウム濃度30〜70%で沈殿するタンパク質画分を取得し、脱塩操作後、陰イオン交換カラムに供し、80mM NaCl,pH7.0の条件下において結合しない画分を取得した。この画分をヘパリンカラムに供し、ヘパリンカラムに結合した画分を取得した。ヘパリン結合画分では、タンパク質量あたりの酵素活性が、可溶性タンパク質画分と比較して約50倍濃縮された。可溶性タンパク質画分と同様に、ヘパリン結合画分においても、ササニシキから精製したタンパク質は、Surjamkhiから精製したタンパク質と比較して、酵素活性が約2倍高かった。現在、さらなる精製を進めている。 (2)CPD光回復酵素の違いがUVB抵抗性を左右する主要因であることの検証 マルチクローニングサイト上流にカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター配列をもつバイナリーベクター(pPZP2Ha3+)に、ササニシキのCPD光回復酵素遺伝子を導入し、センス方向に転写される発現ベクターを作成した。この発現ベクターを用い、ササニシキ、農林1号、Surjamkhiの種子胚から誘導したカルスに、アグロバクテリウム法にて遺伝子導入を行うことで、形質転換体の作成を進めている。 (3)CPD光回復酵素の発現を抑制した形質転換体のUVB感受性の解析 上記(2)と同様の方法を用い、ササニシキのCPD光回復酵素遺伝子をアンチセンス方向に発現する形質転換体の作成を進めている。
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