2005 Fiscal Year Annual Research Report
土壌間隙中を輸送される微生物の微視的定着サイトと群集の巨視的分布特性
Project/Area Number |
16710046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 康 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10293648)
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Keywords | 微生物 / 土壌間隙 / 微生物の定着制御 / 微視的分布 / 巨視的分布 / 微生物輸送 / 微生物固定 / バイオレメディエーション |
Research Abstract |
地盤中での汚染物質の生物有効性は、微生物と汚染物質の接触頻度に支配され、汚染物質への微生物の微視的な到達度が分解の律速となると考えられている。微生物の地下地盤における微視的な分布形成過程を把握し、実用スケールである巨視的分布との関係を理解することは非常に重要である。しかしながら、地盤構造と流れに対する定着サイトの微視的特性は解明されておらず、それを調べる手法すらないのが現状である。そこで本研究では、平均的な流れの方向と媒体上の定着サイトの関係を明らかにするため、浸透流による輸送過程を経て固相上に定着した微生物を直接観察可能とする方法論の構築を目的とする。これにより、微生物定着分布の再現手法の開発や微生物群の定着制御技術の構築のための基礎的知見を得ることが出来ると考えられる。 定着微生物の固定、染色、脱水、樹脂包埋の過程で微生物が剥離するため、微視的な定着位置を検出、決定するための媒体上での密度確保が十分でなかった。そのため、流動下での定着微生物数を増やし、微視的な存在位置を検出しやすくするための方策を検討した。菌液の塩濃度増加による定着促進効果には限界があるが、粘土粒子(カオリナイト)を同時注入し、微生物の粘土への吸着能と粘土の媒体上への高堆積能を利用して、微生物の定着量を向上させられることが分かった。Pseudomonas putidaを用いた実験では単位重量媒体あたりの定着量を増加させることが出来、媒体上部にケーキ状の堆積が生じることなく、流下方向の媒体上にほぼ一定の定着微生物分布が生じた。これにより、効率的な微視的定着サイト検出のための試料作成が可能となるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)